雪道の歩き方
雪が降りました。
こんな風に、勿体ぶって雪のことを書くのは、裏を返せば雪が降らない地域に住んでいるからでもあります。
生まれてからここまで、雪国に行ったことはあれ住んだことはなく、どうしても雪が生活のそばになく、観光する対象物のような希少な存在になってしまっています。
だから、雪の降る地域に暮らしている方々の苦労や、反対にある自然からの恵や、季節の移ろいの厳しさと安らかさを見るにつけ、雪に対する思いを募らせているような気がします。
雨や風も酷いと恐ろしい存在になりますが、雪は溶けずに残ったり、凍って硬くなったりして、日常生活のそばにあっても喜ばれない存在です。
どこを歩いても雪が残っていて濡れたり滑ったりしてしまうのが、積もった後に気になることでもあります。その場で踏んで遊んでいるならいいのですが、前へ進まなければならない、いつもの道を通らなければならない時、雪は脅威です。
歩き方に慣れていないとか、気持ちが慌てているとか、力の入れ方が分からないとか、何かとふだんとは違ってくるのです。
こんなことを言うと、妻からは考えすぎだと言われてしまうのですが、ともかく転ぶのが怖いのです。恥ずかしいのと痛いのと冷たいので。
そんなわけで、雪が降った翌朝は、いつもよりも早めに出ました。15分くらい前倒しで出発し、電車の遅れもなくサクサクと下車駅に着きました。
ここから徒歩で、いつもなら20分の道のりを歩くのですが、路面はやはり雪がまだまだ残っていました。
両手は手袋、そして耳当て。長靴を履いて、滑らないように歩幅を短くして、できるだけ平行に体重移動するように意識しました。
歩幅が短い分、回転を速くして、遅くならないように気をつけました。雪道はペンギン歩き、なんて言われていますがそれを速めにした感じ。
ヨチヨチヨチヨチ
が、
ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
みたいな感じです。
屋根付きの駅前通路を抜け、路面との攻防が続きました。前に踏み出した足も滑るかもしれないし、後ろで蹴り出す時にも横に滑らないとは限らない。気を抜けるのは信号待ちの時だけでした。
途中、近くをを歩いていた小学生が滑って転んでいるのを見かけたり、恐々と走る自転車ともすれ違いました。
そして、職場に無事到着。
いつもよりも時間がかかってしまうと思った徒歩時間は、いつもよりも早くなっていました。1分程度ですが。
回転を速くしていた足も特に疲れたような感覚はなく、むしろ足の裏を意識して歩いていたせいか、足先も冷たくありませんでした。
大股でズンズン歩くよりも、細かくチャチャッと歩く方が、安定していて速いのかも知れません。高速ペンギン歩き、でしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました! サポートは、僕だけでなく家族で喜びます!