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背中 #毎週ショートショートnote

怪談なんて、夜中に一人で書くもんじゃないよなぁ…。学校の怖い話を書いていたけれど、ちょっと隙間のあるカーテンの奥に、何か視線を感じるような気がするし、背にしているキッチンにも誰かいるんじゃないかなんて思う。

思わず立ち上がって、カーテンを閉めて、音を出そうとテレビをつけると、テレビはスポーツの祭典を映し出していた。え?この格好、宅急便では…。騒々しいのは集中できないんだよなぁ。テレビを消すと、エアコンが急に強くなった。

ちょっと嫌な気分だ。思い切って外に出ようと、サンダルを履く。サンダルが妙に重い。ドアを開けるとムッとした熱気が体を包む。しかし背中は冷たいままだ。マンションの非情怪談は青白い光の蛍光灯が灯っていて不気味だ。

何も考えないように、足だけを動かす。夜中の空に、カンカンと金属音が響く。下の方からも、同じような音が聞こえてくる。誰かが上がってくるのか、踊り場で待っていると、足音はいつの間にか頭上から聞こえている。




#毎週ショートショート   #非情怪談 #むずい #エッセイ風 #怖がり #書けない

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