弱音 #毎週ショートショートnote
ある日、郵便受けに手紙が入っていた。差出人は、夜だった。夜からの手紙はいつも突然だ。長かった夏が終わり、秋が始まったことを感じる涼しい日だった。
封を切るや、夜風が吹き出してきて、頬を撫でる。相変わらずだ。
夏至を過ぎると、昼が短くなって、夜は長くなってゆく。夏の間、夜はダラダラと自堕落な生活をしていたから、長い時間働くことに不安があると書いてあった。
毎年のことなのに、いったい夜は慣れていなかった。…まったくもう。僕は独りごちた。
そして、僕はいつもと同じように返事を綴る。
何年同じことをやっているのか、もう数えられないくらいになったのに、まだ慣れていない君にいつも驚かされる。
これからは君が1日を作り、季節を作っていくのだから自信を持って頑張ってほしい。僕も陰ながら応援している。
僕はこれから、ようやくやりたいことができる。働く時間が短くなるんだ。早く帰宅して、寝坊しても怒られない。今までの君みたいに。
永遠の友人、昼より
(410文字)
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