優しい大人に叱られた
政治系のニュースを見るたびに登場していた、あの国会の本会議場。全国から選ばれた議員が居並び、中央の演台に注がれる視線を、この目で見たときのことは、とても印象的でした。
国会見学に行ったときのことは、すでに記事(建物は雄弁)に書いた通りです。とにかく、建物による形容が素晴らしく、意志ある建物という感じでした。神聖な反面、とても人間的で、日本人的な気持ちの入った建物でした。
午前中、代表質問を見るために傍聴席に行きました。傍聴席に着くまでには、結構プロセスが煩雑でした。
傍聴券への個人情報の記載、一般的な荷物検査(結局ロッカーに入れるので、危険物チェックなのだと思います)、ロッカー収納、紙と筆記用具だけが持ち込めるので、その手帳などの中身チェック、衛視の方から席での注意事項の確認、席への案内、そして着席となります。
混んでいるわけではなかったけれど、入り口から、ざっと10分以上かかって着席した感じです。
傍聴席では、声を出さない、拍手をしない、妨害しない、など静粛に臨むべきと規則がありました。
傍聴席に入ると、数十メートル先には総理大臣をはじめとした大臣が並んで座っていました。まるで舞台を見ているような明るさと、声の響き。観客のような気持ちになって、目の前のショーを楽しんでいました。
総理の答弁が終わりにさしかかったとき、副総理がちらっと動きました。隣の総理の席を座りやすい向きに変えていたのです。へー!と心の中で小さく叫び、意外と仲がいいんだなぁと思いました。
答弁を終えた総理に向かって議場で拍手が起こったとき、楽しんでいた気持ちから、つい拍手をしそうになり、あっと緊張感が走りました。
斜め前に立っていた衛視の方も同じような表情をされており、申し訳なく思うと同時に、よく見てるなぁと感心してしまいました。
1時間半ほど見つめていたら、休憩時間となり議長が閉会を宣言。議長が退出するまでは誰も動かないという決まりなのか、衛視の方から「議長が退出するまでは動かないで」とのこと。
途中、同席していた仲間が衛視から声をかけられており、その確認というか声を交わしていたので、席を離れたときに聞いてみると、「頬杖は、ふていさい、なんだって」とのこと。
え?不敬罪?いや、そんな刑罰なかったような。「ふていさい」は規則の最後に載っていました。「不体裁」と表記するようで、議長に失礼なくきちんとせよというのが趣旨のようです。
手すりに肘をかけるのはいいのですが、それが頬杖になるとNGだった模様。確かに、いっぱいいた報道関係者も、肘をかけてる人はいても、頬杖はいませんでした。
これまた体験しなければ分からないこと。貴重でした。
傍聴規則は各院によって作られる規定となっており、衆参それぞれに決まっています。子どもの傍聴可能年齢などに差がありましたが、現在では特に差はなさそうです。
そんなことを調べていたら、傍聴席には"つえ"を持ち込めないという規定を発見。
なるほど、頬杖も・・"つえ"・・のひとつなのかも知れません。