人生の〆に、ひとくちだけでも
この質問、あなたならどう答えますか。キッシュで繋がったくまさんの、初めての企画に寄せて書いていきたいと思います。「さいごに何食べたい?」
この企画が始まってから、幾人かの方の投稿を読んでいます。自分の問題として捉えるのか、それとも家族、あるいは別の人・・そして、何を食べるのか・・これ、すごく難しいなぁと思うのです。
好きなものを食べたい・・というのは、誰もが思うことかも知れません。好きなものを食べさせたい、と思うのも頷けます。
でも、「食べたくない」ことはどうだろう・・と考える、洞察に満ちた投稿もあって、食べることって、本当に人に繋がっているんだなぁと考えるのでした。僕は食という字が「人に良い」と解釈するのが気に入っています。
例えば、命が尽きる方向に進んでいるのだとしたら、それは人が良くなろうとしているのとは逆の方向性なのかも知れません。生きるために命があるわけで、命が無くなることは生物として抗わなければいけないのではないか、と考えるのです。人に良くない・・とすると、食べたくない、ということもまた答えのひとつ、なのでしょう。
僕は性格的に、言葉の定義から考えてしまうことが多いのですが、この企画における個人的考えポイントは「さいご」でした。漢字で書くと、最後と最期が浮かびます。
”最後”だとすると、意外とたくさんのチャンスがあって、例えば今年の最後でもいいし、卒業した日でもいいでしょう。僕は、なんとなく最後には思い入れがあって、例えば年度の終わりにはカレーが定番になりつつあります。
”最期”となると、これは誰でも1回だけのものかも知れません。その時に、何が食べたくなるのか・・これはもう、その時になってみないとわからないよなぁ・・とも思うのです。もしかしたら、「何を」よりも「誰が作った」かを求めるかも知れませんし。
とはいえ、意思表示ができる最期であることは、とても珍しいというか貴重な機会だと確信しています。最期を知ることができるのか、そこも一つの大切なチャンスなのですよね。
くどいくらいに、僕が好きだと言い続けているのは、「モンブラン」と「野菜」でした。そして、年間の食べる数を決めている「ラーメン」も好きです。きっと、病気の種類にもよりますが、ラーメンって食事制限界のシェアはトップクラスだと思うのです。だから、もしそんな状況であったなら、宿願になっている可能性はあります。
それ以外に考えたのは「焼きそば」でした。焼きそばは、特別に味付けだとか、具材とかではないのですが、二人の子どもが生まれる日に食べた夕食なのです。一人目の時は、半信半疑の痛みの中での夕食だったらしいのですが、二人目はもう確信的に「今日の夕食は焼きそばで頼む」と言われたので、焼きそば・・からの病院という流れとともに、心の準備もスムーズでした。
ちなみに、妻は「牛タン」でした。子ども時代を過ごした場所は、故郷としての思い入れは強いでしょうし、確かに牛タンは美味しい。シンプルに焼いただけというのも、味にブレがなさそうです(素材の良し悪しはあるでしょうけど)。
モンブランの話をケーキ屋さんに聞いたときに「最期に、うちの店のモンブランが食べたい、と言ってくださった方がいて、実際にご家族が買いに来られて、数日後に亡くなった」というエピソードを紹介していただきました。お店にとっては、それはとても嬉しいことでしょう。
僕は、いろんなモンブランを食べているので、一つ選べと言われるのが怖くて、最期に食べたいなんて言えなさそうです(笑)
現時点では、僕が「さいごに食べたいものは、ラーメン」ですね。
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