連想 #毎週ショートショートnote
「なんだっけ…あの映画のタイトル、スッゲー岩場みたいなところから、突然サメが出てくるみたいな名前の・・」
なんだそれ…コメディ?頭をかしげる僕に、誠はさらに付け加えた。
「いや、なんかのリメイクなんだよなぁ。思い出せないけど、マッチョが出てきてさぁ、なんか叫ぶんじゃなかったっけ?」
エイドリアーーン!!って古すぎないか。手元のスマホで、《 ロッキー 制作年 》で検索すると1976年だった。僕も生まれてない、ギリ父親世代だ。
話し始めると、誠も僕も早口になってしまう。もはや父親が生まれたような年に撮られた映画なんて、誰も観てるわけがない。誠のイメージ先行のタイトル探しは難航していた。
「ちょっと、これでしょ!祈願上手!」
パタパタと走り寄る音がして、陽キャの女子がスマホの画面をこちらに差し出す。驚いたけれど、画面の中には正解と思しき作品の画像があった。
「い、いつから聞いてたの」
「最初から。あんたたちのテキトーすぎる映画論、気になりすぎんだよ。」
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