漂う香りに
毎週月曜日には、旅の記録を書いています。
今年も、少しづつ思い出しながら。
お付き合いいただけると、とても嬉しいです。
大晦日に、たまたま通りかかった近所の農家で、軒先に売られていた小ぶりの柚子を買いました。ピンポン玉くらいの柚子が12個。
ほんのりと柚子の香りが漂うお風呂時間・・そんな湯船に浸かっていると、大浴場に大量の柚子が浮かんでいた柚子湯を思い出しました。
巨大な洗濯ネットに柚子が百個くらい詰め込まれて、湯船にプカプカ浮かぶ光景に、単純に柚子が多くとれるというだけでなく、大事にしていることが伝わってきました。
かの地は、高知県の馬路村です。馬路村は地元の農協を中心に、ゆずの村として地域ブランドを作り出し、ゆず関連商品をたくさん販売している、人口千人足らずの村。
その村を知ったのは、有川ひろの作品である「県庁おもてなし課」に登場したからです。高知県のプロモーションのために書かれた作品として、小説だけでなく映画化もされて、広く知られた公務員映画(違った・・恋愛映画か)です。
高知県に着いたはいいけれど、泊るところを探していた時、この小説を思い出し、馬路村に向かいました。川のそばにある宿だったので、ずっと豪快な水音が聞こえていたのが印象的でした。
小説の中では、とても印象的なシーンが描かれている馬路村・・作家の得意とする恋愛の一場面が、恥ずかしくなるくらい瑞々しく描かれ、読んでいるこちらも「うわーっ」って言ってしまうくらい。そんな聖地に、”ひとり”で来てしまったのです(笑)
農協が音頭をとって、馬路村をひとつの生産地として売り出しているのですが、それには村の雰囲気づくりが重視されていて、とくに広報や外部に出ている「文字」が特徴的でした。子どもが毛筆で書いたような、いわゆるヘタウマ。
農協に行くと、ゆずのジュースをくれたり、工場見学ができたりした覚えがあります。土佐弁で書かれた太い毛筆の字があちこちに書かれていて、小さな村が一丸となってゆずを作っている雰囲気が伝わってきました。
村の特産であり収入源である”ゆず”が収穫期を迎えるのは11月。村に活気が出てきたとき、そんな最中に旅行で訪れたのです。今でも覚えているのは、村じゅうにほんのりとゆずの香りが漂っていたこと。
僕が訪れた当時、人口は千人くらいだったと思いますが、いまでは900人余りとか。また、行きたい村です。
村のあちこちにあった柚子の木の風景を思い出すサムネイル。今年もinfocus📷さんとコラボしていきます。ありがとうございます!
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