窓側の席じゃないほう
旅行に行く醍醐味として、ここではないどこか、への好奇心と現実逃避感があります。国内であってもその感覚は強いのですが、海外ともなるとそれはもっと強くなってきます。
当然、言葉も変わってしまうので、日頃当たり前のように意思疎通できていたことが、言葉で伝わって言葉で伝えていたことを改めて痛感するのです。
そんな痛感で済めばいいのですが、言葉が通じないと身動きが取れないのが海外旅行。しかも、それがひとり旅であったなら、痛感は恐怖にも近いように感じられます。
例えば英語を勉強する動機って、元々は学校のカリキュラムだったからかも知れません。しかし、旅行での苦い経験のように、自分が必要だと感じると途端に不安になって真剣味が増すもので、急に色々と身についたように感じられることがあります。
公共交通機関の文字表示に日本語だけでなく、英語も併記されているのは、海外の人の利便性のためですが、子供の頃からいつも不思議でした。
圧倒的に日本人が多いのに、英語って要るの?・・・ってこれが、いわゆる島国根性ってヤツなんでしょうけど。
そんな表示たち、中学校で英語を勉強し始めると途端に色彩を帯び始めるのです。あれ、読めそう・・読める・・読めるぞ!(ムスカ風)・・ただの記号が言葉になる瞬間って、なんであんなに楽しいのでしょうか。
そんなことを通じて、そして大人になってからひとり旅をするようになって、英語はどんどん身近になっていきました。今はもう怪しいですが、ひとり旅での英語でのコミュニケーション(必要最低限のもの)は、問題なかったように思います。
しかし、長年に渡って解決していなかったけれど、その瞬間にしか思いつかない悩みがありました。
それは、飛行機に搭乗するためチェックインした時に発生する問いかけ「お席の希望はありますか?」に対する「通路側をお願いします」という答えでした。
幼い頃から英語表示を見ていたので、窓側はwindow seatというのは分かるのです。そして、通路側もaisle seatという文字は分かるのですが、読み方がわからないのです。今でこそ、ちゃんと答えられますが、読めない時はいつも緊張していました。
読み方がわからないので、声も小さくなって、余計コミュニケーションが取れなくなるのですが、その場を切り抜けるために伝えようと努力しました。今考えれば、筆談でも良かったのですが(笑)
「窓じゃないほうの席」・・通路側でもなく、座席に挟まれた座席になることがありました。
「窓の反対側」・・いや、それoutsideでは?という顔をされたことがあります。
「C」・・窓際はAから始まると思ったので、その3つあとの記号を答えたりもしました。何かこだわり(信仰)があるのでは・・と訝しがられました。
その単語の読みかたが分かったのは、奇しくも機内で席を換えようとして、CAさんに声をかけた時でした。「アイルシート?」と聞かれたのです。
あー!!アイルね、sは読まないパターンか!とひとり恥ずかしくなったのでした。調べればすぐに分かったのに・・。
きっとその時にならないと、知らなかった!って気がつかないのでしょうね・・。
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