型録 #毎週ショートショートnote
結婚式の引き出物は、大きな紙袋から解放されて、ハンディサイズの型録から好きな商品を選べるようになった。
好みに合わない高価な食器よりも、美味しく食べられる高級食材の方が、ありがたがられる時代である。カタログギフト、はさまざまな用途で活用されるようになり、相手がほんとうにほしいものを贈れると人気を集めている。
しかし、モノが溢れる現代で、生きにくさを感じ、身の回りのモノを極限まで減らしたミニマリストたちが増えると、カタログギフトは批判的に捉えられるようになってしまった。
そこで、カタログギフト大手のナッセンは、ミニマリスト志向の人に向けたカタログ「お返し断捨離」を発表した。
お祝いのお返しに、モノをもらうのではなく、モノを処分してもらうのだ。処分だけではなく、買取りオプションもある。中古市場と組んで現金化し、お祝い金の負担感を減らすことも可能だ。
断捨離するモノすらないミニマリストには、とある組織による人間関係の断捨離プランや、某施設での記憶の断捨離プランが用意されている。
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