長い長い城
衛星の技術の進歩等によって、今は地球上の色々な場所が見えるかも知れませんが、かつて「宇宙から唯一見える人工構造物」と言われていたものをご存知でしょうか。
他民族との戦いのために作られた、数千キロにも及ぶ長い長い城壁。いわゆる、万里の長城です。中国にある万里の長城は、およそ10年前に大規模調査をして以降、延長はおよそ21,000kmあったとされています。日本列島が3,000kmだとすると、およそ7倍・・すご。
毎週月曜日には、旅の記録を書いています。万里の長城は、英語ではGreat Wallと表記されます。城ではなくて、壁なんですね。
北京市街からバスに揺られて1時間ほどで、八達嶺長城に到着します。長城はその名の通り、長い建造物なので、場所を区切って公開されているのですが、その中でも八達嶺は一番メジャーな場所と言われています。
僕が乗ったバスは、中国人向けの格安現地ツアーだったので、ガイドさんはほぼ中国語(とても早口)。ほとんど何を言っているのか分かりませんでした(笑)
稜線に沿って作られているため、結構な急斜面を登っていくことになります。10月の終わりに行ったのですが、思ったよりも寒く、迷いに迷って、麓で売られていた防寒着を購入してから登り始めました。
足元は、急斜面に加えて、硬く焼き締められた煉瓦の表面がツルツルになっており、雨の日には歩けないのではないかと思うくらいでした。遠目には白っぽい城なのですが、実際には黒いレンガが積まれていました。
万里の長城というと、なんとなく規則的に並ぶ歯のような凸凹を想像するかも知れませんが、実は、左右で城壁の形が違っていました。
防衛のための壁なので、国の外に向かう方向(画面の左側)には矢などで攻撃ができるように、壁を凸凹にしてありました。写真では分かりにくいですが、凸凹のある城壁の方が高さも高いのです。
八達嶺長城の終点は、人混みでした。登り始めて1時間ほどで到着。足腰が元気じゃないと登れないですが、上り詰めたところで景色が開けるかというと、そんなこともありませんでした。建物はこの先もずっと続いているのですが、観光用に整備されていたのはここまで。
紅葉が終わってしまった時期だったので、想像ですが紅葉も綺麗に見えるかも知れません。
下山して出発地点に戻ると、お腹が空いてしまっていたのでハンバーガーのようなものを買いました。しかし、パッサパサで全く美味しくないものでした(笑)
ツアーは、万里の長城の後に、明十三陵(明代の皇帝、皇后、皇貴妃と皇太子等の陵墓群)のうちの何箇所かを見学して帰るツアーでした。正直、個人的な興味はほとんどなく、万里の長城を歩いたことだけが印象的でした・・。
万里の長城は、その規模が凄まじく、実際に歩いた場所は細く短いとはいえ、稜線に沿って何千キロもの延長があることに驚かされます。
移動は馬だったようですが、兵が昼夜問わず監視していたことも驚きです。建造していなければ、今の中国はもっと違う形になっていたかも知れません。