見出し画像

イレブン

数か月前のことだが、今年も旅する日本語展の知らせを見つけた。

去年は、インスタグラムでその広告を見つけて、締め切りまで時間がなさすぎて、上げていた写真に、とりあえずハッシュタグを付け直して応募した。

今年は違った。
ぼちぼち投稿していたnoteで告知があった。さらに、夏休みに利用したフライトの機内誌にも告知記事があった。なんなら、発着した羽田空港がその主催拠点なのだから、プッシュ通知にもほどがある。それは、気にしすぎかも知れないけど。

テーマを見るたびに、日本語の深さに思いを馳せる。国語や、現代文として日本語に触れているはずなのに、あまりにも知らない言葉たち。それは自らの無知を自覚するとともに、その言葉の使用事例を思い浮かべてしまう。

それこそが、旅する日本語の意図しているところではないかと思う。様々な旅と、古来からの日本語を結び付けて、旅愁を味わう喜びが、多くの人を魅了しているのかも知れないと思うのだ。

このnoteで書いているのは、今のところ自分のことだらけである。旅する日本語で、旅の思い出を書きたくなってきた。忘れたくない思い出や、きっかけがあれば思い出せるような記憶を、自分のために書いておきたい。あわよくば、ほかの人にも読んでもらいたい。そんな風に考えていた自分にも気づけたことも、とても有難いことだ。

今年のテーマは11あった。はじめは、ひとつふたつ選んで書こうと思った。言葉から思い浮かべた、これまでの旅のエピソードをまとめるという目論見で。

でもすぐに、思い出す数多の旅を記すには少なすぎると感じ、旅から少し離れて、書く練習も兼ねて、全テーマを制覇しようと思いついた。

しかし、現実は甘くはなかった。
「案ずるより産むが易し」と自らを励まして始めたものの、筆が進まない。そもそも、テーマの言葉の意味が理解できず、結びつけるエピソードに無理がある気もする。美しい思い出となっている京都の旅や、娘の成長を感じた旅は、書きたい思いが先行し、結び付ける日本語に迷ってしまった。

いくつものテーマを織り込んで書くのは、個人的にずるい気がするし、何より400字に収まらない。
noteで出てきた誰かの投稿を読んでは、上手だなぁと感じて、焦る。手がかりを求めて、応募に関する説明を改めて読み直してみる。noteの告知文には、”旅に関する”とあったけれど、本体の応募要項には、それは書かれていなかった。

それを糧に、テーマに合うエピソードの記憶を手繰った。少し恥ずかしい気もしたけれど、日々の生活の中で気が付いたことや、大好きだった犬のことも書こう、そう決めたら、なんとか11の話が書けた。

読み手として冷静に読むことができないと自覚しているものの、コンテストに応募する作品というよりも、自分の思い出をまとめてみた文章になった。
忘れたくないことを残しておくための日記のような存在になっていれば、それは僕の書きたいことだったと思う。

締切は今月末である。

うっかり文字数を数えずに投稿した話や、少し手を入れたくなった話もあったから、あれこれ修正した。読みやすさや質はまだまだ足りないが、ぜひ読んでほしいとも思う。

最後に、noteにおける僕の心の師匠の言葉を。

旅する日本語、あなたも書いてみませんか。

いいなと思ったら応援しよう!

もつにこみ
最後まで読んでいただき、ありがとうございました! サポートは、僕だけでなく家族で喜びます!