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寒さと服と

僕の暮らしているあたりは、昨日から急に寒くなった。雨の影響もあったし、普段の10月の下旬なんてこのくらいの寒さなのかもしれないが、すっかり忘れていた。

天気予報を見れば気温だって空模様だってわかるというのに、体感しなければ“寒い”かどうかは思い出せないのが、身体の(僕だけ?)の謎だろうか。

昨晩、職場を出ると雨が降っていて、時折風が吹いていた。少し歩いて、太い道路に出ると風に当たる。その風が冷たくて、怯んだ。

駅までの道のりは長い。この寒さに耐えながら歩くのは難しそうだった。上着はないし、職場に戻っても、薄いカーディガンがあるだけ。

首元に当たる風が冷たく、身震いが出る。油断すると、歯がガタガタ音を立てて震える。

この、歯が震えるのは個人差があるらしい。僕は子どもの頃から、すごく寒いと、上下の歯がガタガタと音を立てて震えるから、みんなそうなのかと思っていたが、あるとき「寒いフリうまいね」などと言われ、歯が震えない人もいるんだ!と思ったことがあった。

結局、このままでは動けなくなると思い、走って駅まで向かった。

こんなに“寒い”を連発しているが、子どもの頃、そうではなかった。あれは、体温が高かったのだろうか、あるいは感覚が鈍かったのか。とにかく冬でも半袖半ズボン男子だった。

僕が小学生の頃は、まだハーフパンツというオサレアイテムがなかったので、太ももパッツンのホットパンツのような短さだった。いや、寒すぎるだろ。しかし毎日履いていた。

頑なに半袖半ズボンだったので、いっとき「貧乏だから袖がないんだ」という短絡的な発想で揶揄われたが、長袖を着た翌日、風邪を引いて学校を休んだため、もつは半袖じゃなきゃダメなんだなと知らしめたのである。

小学校を休んだのは、唯一その1日だけだったので、皆勤賞を逃し、個人的にも非常に印象深い。

大人になって、寒さに敏感になるというか、寒くなって体調を崩したり、意外と疲れていてすぐに寝てしまったりということがよくある。

それがいわゆる風邪であるなら、僕は年間何度も風邪を引いている。子どもの頃はそんなことはなかった。ただ熱を出すのはたいてい休みの日だった。


いまの時期、子どもたちも何を着て行ったらいいのかと悩んでいる。さすがに半袖を選ぶことはないので、好きなものを着ていればいいと思う。

子供服は身長がサイズとして表記されていて、どんどん大きくなるとそれ相応のデザインになる。子が“かわいい服”と認識するデザインは、子には少し小さいサイズでなくなっていく。

寒さを我慢して小さい服を着ていたりしたら、それこそ可哀想だけれど、寒くならないと服が買えないのも、また事実なのだ。


#寒さ #記憶 #元気 #体感

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