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子の朝ごはん、たまごごはん

朝、時間の余裕がない。そのくせ子どもたちは気持ちよさそうに布団にくるまっていて、起きてこない。朝の支度は、いつも落ち着かない。

前日にちゃんと用意したつもりでも、起きてみたらちょっと寒かった・・それだけで着る服が変わる。

上の子は、前日の夜に「明日、何度?」と聞く。

あくる日の最高気温を尋ねているのだ。僕は、スマホでチェックして「○℃だよ。今日よりも、ちょっと涼しいかな。」と体感まで想像して答える。心配しがちな上の子は、着る服で失敗したくない。特に、寒いことに耐え難いようで、親が思っているより、たいてい厚着している。

その上の子は、朝ご飯のメニューが、ほぼ決まっている。

「たまごごはん」である。 #うちの卵かけごはん  と言うお題で書いているけれど、うちの子のたまごごはんは、いわゆる卵かけごはんとは異なる。ご飯に乗せるのは、目玉焼き、しかも目玉の部分・・というか黄身の部分である。

生卵をかける卵かけご飯は、子どもたちはおそらく食べたことがないかも知れない。妻が生卵を苦手としていて、朝の食卓に生卵が上らないからだ。

ただ、妻も子も目玉焼きは好きで、しかも黄身には火を入れてくれるなと言う。白身が焼けて、黄身はぷるぷるとろーり、がいいのだそうだ。

生卵とあまり変わらないんじゃ・・と、僕は心の中で呟いた。黄身に火が入って、固まって粉っぽくなると、もう失格である。少なくとも、子は食べない。

慌ただしい朝の時間、その目玉焼きを焼くことも重要なミッションで、うっかり時間が伸びてしまうと、途端に黄身が固くなってしまう。焼き直しである。

冷蔵庫の中に卵が残り1個とかになってしまうと、失敗できないので、目玉焼きにかかりっきりになる。

ご飯に乗せた黄身に、だし醤油をかける。自分でかけられるようになってきて、いつもかけすぎじゃないかと、親は目を光らせる。面白いもので、黄身の周りにいた白身は、下の子が食べることが殆どだ。下の子は白身派なのである。

つまり、我が家では目玉焼きひとつで、ふたりぶんなのだ。

卵かけご飯が好きなのは、誰あろう僕である。家族が食べないならと、まだ誰も起きてこない時間帯に、朝ごはんとして食べることがある。

幼い頃、卵かけご飯の卵は兄弟で分けていた。卵一つを3人で分けるので、何となく足りなかった。茶碗のご飯に直接卵を割り入れるのは、憧れでもあった。

旅先の朝ごはんなどで、それは実現することができた。粒々としたご飯が、生卵によって液体状となって、するすると食べることができた。ひとりでひとつの卵を食べるのは、ちょっとしたご馳走感があった。


我が家のたまごごはん、いつか卵かけご飯になるだろうか。それとも、たまごごはんのままだろうか。どちらでもいい。親としては、子にはちゃんと朝ごはんを食べてもらいたいだけだ。




#うちの卵かけごはん #朝ごはん #こども


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