残念なポートフォリオ
グラフィックデザイナーが面接で見せるポートフォリオは、言うまでもなく重要です。ポートフォリオはデザイナーのこれまでの仕事をまとめたもので、スキルを判断するために必ず提出します。職務歴書の代わりと言ってもいいかもしれませんね。形式は自由。これが落とし穴で、デザインに対する姿勢が良くも悪くも出てしまうのです。
少し調べるとポートフォリオの作り方を検索できます。親切にフォーマットを配っていたり。そこで、これはNGというのをまとめてみました。紙媒体のグラフィックデザイナーを募集した場合です。webデザイナーは異なりますのでご注意を。
では、残念なポートフォリオたちをご紹介しましょう。
不要なデザイン
自分のポートフォリオだから自己表現したくなる。わかります。でも、やたらカラフルなポートフォリオにはガッカリ。意味のないグラフィックが入っていると、この人は余計な要素を考えもなく入れちゃうんだろうな、という評価になりかねません。作ったものが主役です。見やすいか?より素敵に見えるレイアウトか?実力の見せ場です。
スキルが低い時に作ったデザインまで入れっぱなし
十分に経験のあるデザイナーから「これはちょっと昔のですが…」といって残念なデザインを見せられるパターンに遭遇します。それが無かったら良かったのに……と思うことも。色んなことができて幅の広いデザイナーだということは、たしかにプラス。でも目的は今のスキルを見ることなので、参考にならないものが入っているとマイナスです。特に古さを感じてしまうものは、最近のデザインをアップデートできていない人なのでは?と感じてしまうのでもったいないー!
一律同じポートフォリオ?
webやイラストを多く入れたポートフォリオ。あれ?募集要項、見た?と思う内容ではいけません。もちろんこれまでに経験が無いジャンルに募集した場合もあると思います。でも、なるべく求められているであろうデザインとスキルを見せる工夫を。クライアントの意図を拾えない人かもしれないと思われてしまいます。私が転職活動をしていた時は、多目にポートフォリオのページを用意して、伺う企業によって入れる内容や順番を変えていました。そこまで手間はないので、オススメですよ。
文字に気を使わないポートフォリオ
見せて頂いたポスターやちらしは文字詰めがきちんとしているのに、ポートフォリオには無頓着。これは細部に気を遣えないデザイナーだと自ら証明しているようなもの……。気持ちのよい字間や行間は、基本だからこそ大切にしたいものです。ちなみに未経験者OKの場合は大丈夫。入社後、先輩たちがこぞって教えてくれるはずです!
評価できないイラスト
イラストを描けるデザイナーもたくさんいます。そもそも絵が得意な人が多いですよね。そのせいか、イラストも描けます、とポートフォリオに入っている場合がよくあります。未熟なスキルなら入れない方がいい。ディレクションが出来ない人だと思われてしまいます。イラストを入れるなら、単体ではなく必ずデザインとセットに。イラストまで起こしたロゴや、イラストも描いたパンフなどが評価されます。なぜならイラストレーターを募集しているわけではないからです。
ポートフォリオは、そこから読み取れるものがたくさんあります。スキルはもちろん、デザイナーとしての考え方までダダ漏れです(笑)
あなたのポートフォリオがすっきりシンプルなら、そういったテイストを求める会社からオファーが来るでしょうし、賑やかなデザインを評価されれば、そういったデザインを好む会社からオファーが来るでしょう。
ポートフォリオは提出型課題だと捉えてもいいかもしれません。これから先、どんなデザインに関わり作っていきたいか。それに合わせたポートフォリオで、ぴったりな仕事に出会えますように!