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インナーチャイルドを癒す①

インナーチャイルド(略してインチャ)を癒すことは、潜在意識を書き換えること。本来の幸せな人生を引き寄せるためには、必要不可欠である。

インチャについては、引き寄せの法則にハマり出した当初から、よく見る単語なので知識としては知っていた。そして、それと向き合い癒すことが、引き寄せ力を上げ人生を好転させるために、非常に重要であることも。

しかし、これまで知りうる限りの、ありとあらゆるスピリチュアルなメソッドやツールに手を出してきたが、どうしてもインチャにだけは手を出せずにいた。なぜならば、幼少期の心の傷と真正面から対峙しなければいけないから。

当時は気付きもしなかったが、今思うと私は相当に変わった子どもであった。もしかしたら、何らかの精神的な異常や障害があったのかもしれない。特に生活に支障もなく大人になったので、今となっては知る由もないが。

決して愛されていなかったわけではないが、親にとっては育てづらい子どもであったと思う。先生など周りの大人たちからも可愛げのないおかしな子に見えたであろう。周囲の子どもからも完全に浮いた存在であった。

そんな子ども時代であったため、辛い経験をすることも多かった。勿論、自分だけが特別に不幸だったとは思わないが、それでも深い心の傷がたくさんある。思い出すと情緒不安定になってしまうので、全て無かったことにして自分は幸せな子ども時代を過ごしてきた、という設定で生きてきた。あわよくばこのまま一生逃げ続けようと。

そうやってずっと回避してきたインチャであるが、対峙すべき時がついにやってきたのだ。例の引き寄せプログラムである。配信動画から流れる先生の優しい声が「今日からインナーチャイルドを癒すワークをしていきます。」と言った瞬間、身体が震えた。

しかし、それまで既に様々なメソッドやワークをすることで、私の心は以前と比べて随分軽くなっていた。今ならインチャと向き合えるかもしれない…と思い始めていたところなので、すぐに覚悟は決まった。先生も、今までのワークはインチャを癒すための準備であり、そろそろ頃合いなのでインチャワークを始めるのだという。上手に作られたプログラムだな、と感心した。

私が習ったインチャを癒す方法は、恐らく先生の専売特許であろうから、詳細を書くわけにいかないのだが、幼少期の心の傷を洗い出し、その一つ一つと対話しながら癒していく。まずは封印してきた過去の辛い出来事を思い出して全て書き出す。それだけで、もうお腹いっぱいであったが、その中から特に辛かった出来事を取り上げ、ワークを始めた。

当時のことを思い出しながら、インチャと対話を始める。ゆっくりと丁寧に、当時の感情を感じていく。対話を進めていくと、突然当時のことがフラッシュバックした。まるで走馬灯のように。そして涙が止めどなく溢れ出す。あーそうだ。あの時はこんな気持ちだった。こんなことを感じてた。なんで忘れてしまっていたんだろう?辛かった自分に気がつかなかったんだろう?段々と自分自身が愛おしくて愛おしくてたまらなくなってくる。そして、自分自身に感謝の念がどんどん湧いてきた。

気がつくと一時間が経過していた。号泣によるカタルシスも相まって、なんだか不思議な感覚だ。これがインチャを癒すということか。思っていたよりも簡単だったのと、想像以上の心の変化に、本当にやってよかった。何も恐れる必要はなかった。もっと早く癒してあげたかったと思う。

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