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女性ホルモン襲来で気が付いたこと。夫よ今月もありがとう。

道端で理不尽に絡まれた経験はあるだろうか?
私は道端ではないが、毎月絡まれている。

誰からだって?

話が通じないチンピラ、女性ホルモンさんだ。

しかも、奴が絡んでくる回数、ひと月で4回。
女性ホルモンは月に4回も変わるらしいのだ。
変化する度、結構な負担が身体や心にかかってくる。
昔は腹痛や貧血などの体調面メインだったのが、アラフォーになったここ最近は、メンタルメインでやられることが多くなった。

今もまさに奴が来る恐怖におびえている。
チンピラの中でも親分級のやつだ。そう、生理直前女性ホルモンさんだ。

生理直前女性ホルモンさんは私をイラつかせるのが得意だ。
そしてそのイライラの矛先は大概、夫へと向かう。

夫が歩いているだけで腹が立つ。
ソファーに座ってリラックスしているだけで、吐き気。
携帯しか見ていない奴の目を、グーパンしたい。
口の周りの髭をむしりとりたい!!!

そう、私は夫で憂さ晴らしがしたくなるのだ。
勘違いしないで欲しいのは、これは私の本心ではないということ。女性ホルモンさんが私にそう思わせるのだ。私に罪はない!

そして見なきゃいいのに、夫の動きを目で追い、耳をすまし、激怒できる瞬間を狙う。

トイレの後に手を洗わなかった!!

私「手えええええええ!!あらえーーーー!!汚ったねーーーー!!」

夫「ごめん・・・。」

夫が言う「・・・あれ?もうすぐ、パンチングバッグ週?」

パンチングバッグ週とは、つまり夫が一歩的に殴られる週のこと。私がボクサーで、夫はパンチングバッグということだ。
パンチングバッグ週は殺気立った妻に、夫が八つ当たりされる週。

この八つ当たりが、本格的な夫婦喧嘩に発展しないように、この週に入る前には必ず夫にお願いするようにしている。

「私はもうすぐ女性ホルモンの襲来にあう。理性も一時的に冬眠するため、私自身の力では太刀打ちできないのだ。だから君は、立ち居振る舞いから十分気を付けるように。
君は私にいつも以上に気を使い、家のことは全て己がやるという気持ちで、家事や育児に向き合うこと!とにかく気を張り詰めて生活するがよい!!」と言う具合に。

こんなに好き放題やって、なにがホルモンに絡まれてるだよ。
絡まれて酷い目にあってるのはお前じゃなくて、夫じゃないか!
というそこのあなた。
私も苦しいのだよ、原因不明のイライラ、何をしても解消されないモヤモヤ、そして夫をいじめた後の自己嫌悪。
私にもどうすることもできないのだよ!!

そしてもう一つ、アラフォーから急激に勢力を増してきたホルモンさんがいる。
それは排卵日付近女性ホルモンさんだ。
排卵日付近女性ホルモンさんは、モラハラメインで私を責めてくるので、そのため自己肯定感が爆下がりする週になるのだ。

とにかく悲観的になる。
まず朝から暗いのだ。
生死について、この、私が考える。
誰とも会いたくなくなる。
夫の臭い靴下を見て、人生を呪う。私の人生はこの腐った靴下のようだ。
朝一で自分の顔を見て愕然とする。最近の地球は重力が強まっているのだろうか。私はそろそろ滅亡するのだろう。
筋トレで汗ばむアラフォー女のおでこにハエが止まる。そうだ、私はその辺に転がってるうんこと同じなんだ。

この気持ちを持ち上げてポジティブ思考にするなんて到底無理な話だ。
心の中で「ホルモンさんの仕業だ、正気になれ!敵にまけるな!」と自分を奮い立たせても、秒で負ける。

そして現在、生理前のイライラと戦っているわけなのだが、先ほど友人が「鬱病なんだ」とグループラインで告白してきた。

何て返そうかなっと、考えていた私より先に別の友人が
「あーよくあるよね。私もそれっ気あるよ。」と軽々しくいった。
友達はスタンプで返していたけど、とっても辛かったのではないかと思うのだ。

鬱病と言うことば、確かに今では当たり前のようによく耳にする。
だから、身近すぎて軽視されているような気もするのは私だけだろうか。

私は鬱病になったことがないから、友人の辛さを本当の意味で理解することはできないのかもしれない。
ただこの生理前の心身の不調からちょっとだけ想像することはできる。
生理前の女性にはPMSという生理前に起こる心身の不調がある。中にはその不調が主に精神面に多く出る人もいて、その症状をPMDDと呼ぶそうだ。PMSの中でも重い症状と言われ、抗うつ症状群の一種らしい。私はもちろんそこまで重症ではないが、それでもあの落ちた気分の時のキツさと言ったら・・・。それでも私の場合は、2,3日もすればもとに戻る。
だから抗うつ状態から抜け出せず、その状態が続くなんて想像しただけでも、壮絶じゃないかと思うのだ。

そして私はふと思う。今までも友人からそういった告白を受けてきたが、私は友人がそこに至るまでのことを、想像しことがあるだろうか。どれだけ頑張ってきたんだろうか。
鬱病=心の病気くらいの浅い解釈しかしていなかった気がする。

自分のちっぽけな生理前症状の経験しかないし、プロでもない私にできる事は限られているが、助けを求めてきた時は全力でサポートしようと誓った。
友人に「頑張りすぎちゃったんだね。いつでもいいから連絡してね。下ネタなら私だよ」と送った。

そんな私の横でテレビを見ながら、自分の腹をさする夫。パンチングバッグ週だと言ってあるのに油断しすぎではないか!!

「テレビ見てる暇があるなら、肩、揉もうか。」と殺気立った目線を送る。

その顔を見た夫は子犬のように怯え、必死に私の肩を揉みはじめた。しかし、手から愛情は感じられず、感じるのは恐怖心のみ。

「やらされている感を出すとは生意気な!愛情が感じられん!」と夫を怒鳴りながら思う。
夫が私のせいでうつ状態になるなんてことはあるかしら。と。
まずは身近な夫を大事にする必要があるのかもしれない。
・・・でももちろん思うだけで、口から出たのは「次は食器洗いしようか」だった。

仕方がないのだ、全てはホルモンさんの仕業なんだもの。










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