妖怪退治は床上手!?Part7
俺が桜子さんと話していた、その時だった。
部屋の扉が開き、巫女装束を着込んだ楓が静かに現れた。
彼女の表情は硬く、何か重いものを抱えているかのように見えた。
その姿に、俺は心臓がドキドキと大きく打ち始めた。
桜子さんは一瞬楓を見つめ、深いため息と共に彼女に言った。
「あなたはいつも説明が足りないのよ…」
楓の眉が少し形を変えて反応する。
桜子さんは再び俺に目を向けた。
「良太くん、急な話で悪いんだけど…もし嫌でなければ、楓のする事に付き合って欲しいの」
俺の頭の中でその言葉が何度も反響した。
どんな協力を彼女が求めているのかは、まだよくわからなかったけど、俺は即座に答えた。
「僕でよければなんでも協力しますよ」
桜子さんの顔に温かな微笑が広がった。
「ありがとう、良太くん…」
俺たちが部屋を出る直前に、桜子さんは心配そうな表情で声をかけた。
「二人とも、頑張ってね」
楓に手をつかまれ、俺は神社の裏手にある古い建物へと導かれた。
そこは静寂に包まれ、手前には脱衣用のスペースが設けられていた。
その奥には、檜造りで広々とした、水深の浅い浴槽が待ち受けていた。
浴槽の奥にはしめ縄がかかった大きな岩があり、そこから絶えず冷たい水が流れ落ちていた。
「服を脱いで、この水で体を洗って」
そう言い残して、楓は扉を開け外に出た。
俺は初めての状況に緊張しながらも、彼女の指示通り服を脱いだ。
彼女の説明がいつも曖昧なので、具体的に何をすべきかわからなかったが、儀式の前に清めるべきなんだろうと推測した。
冷たい水に触れた瞬間、夏の暑さから解放された解放感が全身を駆け巡った。
浴槽に座り、手で水をすくい体を洗った。
水は冷たく、夏の残暑から逃れる心地よさがあった。
体を清めた後、外に出た俺を楓が待っていた。
彼女に連れられて、また別の建物へと向かった。
その建物の外観を見た瞬間、俺は足を止めた。
ここは以前、俺が偶然にも楓の自慰行為を目撃した場所だ。
あの時の記憶が蘇り、心臓が速く打ち始めた。
彼女の隠された一面を知ったことで、俺は彼女に対する感情が変わった瞬間だった。
「そう、しっかり覚えているのね」
楓が俺の反応を見て納得の声を出した。
「この中で説明するわね」
俺は彼女の説明に大した期待を抱かなかった。
いつも言葉が足りないからだ。
建物の中は、扉以外はすべて閉ざされ、日中でも室内は薄暗かった。
古い建物には似合わないクーラーの冷気が心地よかった。
「こっちよ」
楓の誘導で部屋の中央に座った。彼女も同じように向かい合って座った。
そして、彼女が話し始めた。
「河野くん、私たちは妖怪を退治するために、この神社で特別な力を使うの」
俺は漫画のような超能力を想像し、興味が湧いた。
「宮園神社の巫女は、代々妖怪を退治する力を授かるのよ」
「妖怪?」
俺は本当にそれを信じたことがなかった。
楓の説明に疑問を感じてしまった。
「そう。人間に害なす存在」
その言葉に躊躇いがなく、俺は彼女の話に引き込まれた。
「巫女は、その妖怪を自らの子宮…お腹の中に内包して、巫女の力を使って消滅させるの」
彼女の真剣な表情が、その話を現実味のあるものに変えた。
「今、私の中にも妖怪を内包してるんだけど…」
俺は驚き、思わず身を乗り出した。
「神社に近づいてきた弱い妖怪だから、すぐにどうなるわけじゃないんだけどね。妖怪を内包するとこうやって…」
彼女は腹部を示した。
布の上からでも微かに光る模様が見え、俺はその神秘的な光景に引き込まれた。
「それでも早く退治しなくちゃ!」
俺が彼女に強く訴えると、楓は視線を逸らし、口ごもりながらも伝えた。
「退治するためには、えっと、その…」
俺は彼女の次の言葉に集中した。
「巫女との性交が必要なの」
「それは…どういう…え?」
最初は意味が分からず問いただしたけど、すぐに理解した。
俺の顔が一気に熱くなり、あの日の興奮が再び胸中を駆け抜けた。
「急にごめんね。私って説明が下手だから…でも、私はあなたに触れて、あなたに手伝ってもらいたいと思ったの。お願い…できないかな?」
俺は内心で喜びを感じていた。
こんな願いが叶うなんて。
だが、俺に経験がないという事実は隠せない。
「俺…初めてだから…」
俺の不安が口をついて出た。
それに対して、楓は少し強い口調で答えた。
「私だって!私だって…したこと…ないし…」
彼女の声は徐々に小さくなった。
俺はその言葉に心の底から喜びを感じた。
お互いが初めてだという事実が、俺にとって何か特別なものに感じた。
俺は決意を固めていた。
「うん、俺も妖怪退治を手伝うよ!」
俺たちは向かい合って座ったまま、どう始めればいいのかわからなかった。
長い沈黙が流れる中、俺は再びあの日の楓を思い浮かべていた。
そして、楓が立ち上がった。
彼女は帯の結び目を解き始めた。
緋袴がゆっくりと床に落ち、彼女の下半身が露出する。
俺はその姿から目を逸らせなかった。
「あまり見ないでよね…恥ずかしいんだから…」
彼女の肌が次々と露わになり、俺はこれから彼女と一体になるという現実に直面した。
果たして自分は、彼女が求める役割を果たせるのか。
そんな不安と共に、彼女を支え、守りたいという強い思いが俺を支えていた。