内なる情熱を表現したい
音読の生徒さんからバレエの発表会に招待頂いた。
バレエはわたしがやってみたかった事の一つ。
私がバレエを知ったのは、恐らく当時読んでいた小学一年生などの雑誌で、レオタードを着てトウシューズをはいている女の子の写真だったと思う。
バレエを習いたいと母に伝えたところ、「○○ちゃんが習っているけれど、爪先から血が出るというからやめなさい」と言われ、習うことは諦めた。
トウシューズでつま先立った足のラインや、天に向けた指先の美しさに魅了されていた私は、自分の指や手の角度を変えてはそれを描写したり、衣装を描いたりして、バレエを習いたかったという気持ちを消化しようとしていたのだと思う。
次にバレエに出会ったのは、ピアノの先生のお宅にあった漫画。
自分の番を待つ間、先生のお宅にいるフォルテという大きな犬と遊んだり、大きな書棚にある沢山の漫画を読んで過ごしていた。
その書棚にあったのがアラベスク。
当時の私には少し難しい理解しがたい心情表現が多々あったけれど、何度も繰り返し読んでいた。
今は大人のバレエ教室も多くあって、習おうと思えば習える環境にはある。
けれどもやりたい事が多すぎて身体が足りず、バレエは次の世でやろうと決めた。
体操、スケート、バレエ、弦楽器、合唱、演劇 、能、弓道、茶道、着物 。。。
本も読みたいし音読やセッションもしたい。
母、家、仕事、それだけでも忙しいのに、あれもこれもと手を出す余裕は色々な意味でなし。
身体が、経費が、時間が、(つД`)ノ
なので、今世では自分はしないだろうバレエの発表会を観るのをとても楽しみにしていた。
少し早めに到着してパンフレットをみる。
なんとお衣装は先生のお母様の手作りだそう。とても繊細で、布がフワッと広がってはまとまる様子に目が釘付けだった。
優雅なのにビシッと決めるところは決める。
伸びやかに、身体で自分を表現できるって、いいな〜!!!!!!!!!
思い切り手を伸ばしたりジャンプしたり、自分の身体を通して表現する。
素晴らしい。
私も表現したい!
私たちは表現するために生まれてきたのだろうと思う。
言葉にできない、言葉にならない、言葉では伝わらない自己の内面を、踊りや音や、絵や書など、その人が得意なことを通して表現する芸術の世界。
私にはそういった意味で表現する術はないけれど、本来そこに在るだけで表現されているのだと思う。
とはいえ、内なる情熱を何かで表現したいと思う気持ちは変わらない。
自分の身体を通して表現したい。
差し詰め、私の場合は声だろうか。
音読で培った声をいかせるだろうか。
まずは一人で朗読をしてみるか。