金沢利彦/障害福祉 経営者

1983年生まれ、リクルート→ベンチャー企業→障害福祉事業の経営をしています。 まだま…

金沢利彦/障害福祉 経営者

1983年生まれ、リクルート→ベンチャー企業→障害福祉事業の経営をしています。 まだまだ偏見や誤解の多い「障害」の世界で、私が事業運営を通じて感じた素晴らしさや、思慮・経験不足ゆえに感じた等身大の苦労等を発信していきます。 志を共にできる仲間や事業者の方とご縁があると嬉しいです。

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【重度知的障害②】私が教えてもらったこと(中編)

◾️毎日を真剣に、やりたいことに全力モナミの運営する、重度知的障がい者向けのグループホームに住んでいる、ある男性ご利用者の話です。 そのご利用者は、テレビを見るのが大好きです。 大相撲、甲子園は特に大好きで、シーズン中はテレビにかじりつき、大興奮。 どちらかを応援してて、負けて怒ったり、勝ってバンザイして大喜びをしたり、喜怒哀楽を気持ちよく表現しています。そんな姿を見ていると、見ているこちらが自然と微笑んでしまいます。 また、将棋も大好きで、将棋の番組を見ながら、テレビの

    • 『この子らを世の光に』(糸賀一雄著)を読んで

      「障害者福祉の父」と呼ばれる、糸賀一雄先生の著書、『この子らを世の光に』を読んだ。 衝撃が大き過ぎて、震えました。 障害福祉事業に携わる人(特に事業の中心となる人)に、是非お勧めしたい。 糸賀一雄さんは、知的障害のある子どもたちの福祉と教育に一生を捧げた人であり、戦後日本の【障害者福祉】を切り開いた第一人者であり、「社会福祉の父」と呼ばれる人です。 その糸賀一雄さん自身が、戦後間も無く自身で創立した「近江学園」の、設立・運営の苦難、ご本人の感じてきた悩みや葛藤などを詳

      • 【発達障害②】多様性を認めるとは?(後編)

        続きです。 ◾️一般就労について一般就労に従事する人には、 ・しっかりと挨拶すること ・一定のコミュニケーションが取れること ・時間管理やタスク管理がある程度できること など、様々な項目において「社会が求める最低レベル」が期待され、それらがレベルに満たない場合、「できない」とみなされてしまう傾向が、まだ多くの職場であるように思います。 発達障害のある人にとって、上述の様々な項目で「求められるレベル」を達成していくことは、非常に困難なことが多いように思います。 そもそも

        • 【発達障害①】多様性を認めるとは?(前編)

          弊社の運営する10棟の障がい者グループホームのうち、3棟が、発達障害のご利用者が中心のホームとなっています。 発達障害のある人は、お一人お一人実に様々な個性を持ち、思考性・性格・特性は皆バラバラです。しかし、「生きづらさを抱えてきた」という点では、皆一様に共通している印象があります。 ◾️発達障害の人が持つ「生きづらさ」弊社の運営するホームにも、実に様々なご利用者がいらっしゃいます。 対人関係(コミュニケーション)においては、 空気がなかなか読めなかったり、 話している

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        【重度知的障害②】私が教えてもらったこと(中編)

          【重度知的障害③】私が教えてもらったこと(後編)

          ◾️いち個人として、素晴らしい人間性を持つ人が多い。障がいのある人は、まだまだ差別や偏見にさらされる場面が多々あるのだな、と事業を運営していると感じることがあります。 当事者やご家族は、無意識の偏見や理不尽な差別に嫌な思いをしてきたことも多いのではないか?と思うこともしばしばです。 日々、生活を支援している私の立場でも、あまりにもひどい偏見や差別に、腹を立ててしまうことがあります。「こんなことが許されていいのか?」と思うことも多々あったりします。 しかし、私が腹を立ててい

          【重度知的障害③】私が教えてもらったこと(後編)

          【重度知的障害①】私が教えてもらったこと(前編)

          私が千葉県で障がい者グループホームの運営をはじめて、丸4年が経過しました。今では弊社の運営するホームは10棟となっているのですが、そのうち、 ・重度の知的障害のあるご利用者向けのホーム が概ね半数となっています。 ◾️重度の障害がある人向けのホームはまだまだ少ない重度の知的障害があるご利用者向けのホームは、そもそも地域に非常に少ないのが現状です。 障がい者グループホーム自体は、弊社がホームを構える船橋市でもすでに200ホームを超え、ここ数年で3倍程度に増えているほど、

          【重度知的障害①】私が教えてもらったこと(前編)

          【自己紹介】中小企業を継承し、福祉事業を経営するまで(後編)

          僭越ながら、自己紹介の後編です。 9.ベンチャー企業一筋に戻る 2013年末にパチンコ店を無事賃貸し、2014年からはベンチャー企業一筋に戻りました。そこで、 ・ベンチャー企業や中小企業の経営者に対して、 ・経営ソリューションや中核人材のヘッドハンティングを通じて、 ・企業課題の解決をする という仕事をしていました。 これは本当に楽しい仕事で、志を持った多くの経営者に、大変大きな刺激をいただく楽しい日々でした。 10.母の還暦 そんなこんなで、身の丈を超える多くの成

          【自己紹介】中小企業を継承し、福祉事業を経営するまで(後編)

          【自己紹介】中小企業を継承し、福祉事業を経営するまで(前編)

          はじめまして。 私は、株式会社モナミという、東京都中野区に本社を構える、中小企業の経営者をしています。 (その前は、リクルート→ベンチャー企業で働いていました) 1.何をやってる会社か? 私の経営するモナミという会社は、 ・千葉県船橋市、鎌ケ谷市、市川市にて、 ・障がい者グループホーム10棟の運営を中心に(2024年現在)、 ・「訪問看護」や「居宅介護」などの周辺事業でグループホームのご利用者の生活を支えつつ、 ・障がい者の「働く」ことを支援する事業を間も無く開始する

          【自己紹介】中小企業を継承し、福祉事業を経営するまで(前編)