「5年後や10年後どうなりたいの?」 って聞かれたら、どう答えますか?
お疲れ様です。もなきです。転職エージェントをしたり、スタートアップ企業の採用のお手伝いをしたり、採用動画のプロデュースをしたり、YouTube(名もなき転職チャンネル)をしたりしています。
YouTubeで話している内容を文字でもお伝えしている「名もなき転職マガジン」、今回は「5年後、10年後どうなりたいですか?」いわゆる「キャリアプラン」を聞かれた時にどうするか?というテーマで書いていきたいと思います。
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転職活動中で面接を受けている方や、面接へ向けてこれから準備しようという方、転職するかは未定なんだけど自身のキャリアプランについてきちんと考えを持って働いていきたい方は、このnoteを最後までみていただければそのポイントが分かるかと思うので、お付き合いください。
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【1】面接でキャリアプランを聞く目的
まず、面接官が「5年後、10年後どうなりたいですか?」いわゆる「キャリアプラン」を聞く目的とは何か?を考えてみましょう。
面接での実際の場面では、
・5年後にどうなっていたいですか?
・将来の目標は何ですか?
・あなたのキャリアビジョンを教えてください
など、色んなパターンで聞かれます。
この質問を通じて、面接官は何を確認しようかというと、主に以下の3つが多いです。
①仕事への価値観や志向性を把握したい
②実行力や達成力があるか知りたい
③候補者のビジョンと自社の方向性が合っているかを知りたい
順を追って説明します。
①仕事への価値観や志向性を把握したい
この目的の場合は、会社の掲げるバリュー(価値観)へのフィット度合いをみています。つまり、あなた自身の価値観と、企業が掲げる価値観が整合しているかをみています。
5年後、10年後どうなりたいのかというキャリアビジョンには、その人の価値観や志向性が色濃く現れてきます。この質問を通じて、それを見ているのです。
例えば、僕が懇意にしている企業の1つにユーザベース社があるのですが、そこではThe7Valuesを掲げています。
(画像参照:https://www.uzabase.com/jp/about/)
7つのうちの1つを例をあげると
「迷ったら挑戦する道を選ぶ」
というのがあります。正解のない道で挑戦すれば、失敗の確率が高くなるが、全員で大いに失敗し、検証のPDCAを高速回転させよう。失敗は成功への近道で、失敗から革新が生まれていく、というバリューです。
このバリューを掲げている会社に、真逆の価値観、例えば「石橋を叩いて渡る」「安全策をとりたい」価値観の方が入社してしまうと、入社後にズレが生じてしまいますよね。
なので、価値観や志向性をすり合わせるためにも、キャリアビジョンを聞いているのです。
②実行力や達成力があるか知りたい
次に、「実行力や達成力があるか知りたい」という目的です。これは、キャリアプランという目標を設定した上で、その達成へ向けて、日々前進していける人なのかどうか、を見ています。
例えば「将来的にはグローバルにどこの国に行っても活躍できるキャリアパーソンになりたいです!」というキャリアビジョンを語ってはいるものの、英語の勉強は特に何もアクションしていなかったら「そもそもなんでそのキャリアプランを立てたんだっけ?」とか「達成へ向けて計画的に実行することができない口だけの人なのかな?」って思われてしまいますよね。
もちろん、全てのキャリアビジョンを誰しもが達成できるわけではありませんが、掲げている理想と現実との差分を把握し、それを埋めるために動けるかどうかというのは、仕事全般において大切になってきます。
③候補者のビジョンと自社の方向性が合っているかを知りたい
3つ目は「候補者のビジョンと自社の方向性が合っているかを知りたい」ということです。正直、これが多いんじゃないのかなと思っています。
例えば、応募している企業が「日本の起業をAIの力で便利に豊かにしていきたい」という国内市場をターゲットにしている企業なのに対して、あなたのビジョンが「日本発のAI技術を用いて、海外でも認められるWEBサービスを作って、グローバル展開していきたい」というビジョンを持っていたら、企業とあなたとの方向性はずれてしまいますよね。
「AIの技術力を使って世の中を便利にしていきたい」というところは同じだとしても、その先の目指すゴールが異なると「それであれば、その会社でない方がいいかもしれない…!」という結果になるのです。
ここまで3つ、面接官がキャリアプランを聞く目的、についてお伝えしました。
もちろん、あなたがどんなキャリアプランをもつかは自由ですし、そこに正解はありません。自由ではあるけれども、採用する企業としては、互いのビジョン、方向性が一致していれば、より高いパフォーマンスを出してくれると考えます。実際に面接で話す上でも、お互いのビジョン達成へ向けてどうしていけばいいのか、というディスカッションの場となりとても盛り上がりますよね。なので、面接官はこの質問をするのです。
【2】キャリアプランをどう答えるか
では、そもそも転職活動をする人は、どのようにキャリアプランを考えて、回答すればいいでしょうか?
ここまでを読んだ上で、皆さんの心の声をあてますね。
「5年後も10年後も、どうなっているのかなんて分かるわけねーよ!」
「人に聞く前にあなた(面接官)はどうなんだよ!」
「VUCAと言われる時代に、5年後や10年後が分かるわけねーだろ!」
ちょっと雑な言い回しですが、近しいことを思ったことある人は多いのではないでしょうか?
正直、このように言いたい気持ちは、とてもよくわかります。
とはいえ、面接でよく聞かれる質問なので、皆さん考えた末に、このような回答をすることが多いです。
「まずは仕事を覚えて成果を出し、3年後はマネジメント職についてメンバーを育成できる立場になりたいです。5年後くらいには、自身で新規事業を考えて、事業責任者になるか、部署異動して〇〇をやりたいです」
どうでしょうか?こんな回答を準備しちゃっている人、いませんかね?
正直、僕は面接官をしていた時は、上記のような回答を受けることが多かったのですが「面接している企業に合わせにいっている」「その人の本音が見えない」という印象で、あまり心には刺さりませんでした(ごめんなさい)。
もちろん、その回答をしたからお見送り、ということはないのですが、プラスの加点にもならない、という印象です。
では、どう考えればいいでしょうか?
ポイントは一つです。それは、
「Doing(これがやりたい)」ではなく、
「Being(どうありたい)」という視点を持って考える。
今のVUCAと言われる時代においては、企業も短期スパンで事業戦略を変えていきます。
VUCAとは、社会やビジネスにおいて将来の予測が困難になっている状態を示す造語。以下の頭文字。
V:Volatility(変動性)
U:Uncertainty(不確実性)
C:Complexity(複雑性)
A:Ambiguity(曖昧性)
つまり、企業としての「Doing(これがやりたい)」は日進月歩で変わっていくのです。そんな中で、個人も、今後のキャリアビジョンを「Doing(これがやりたい)」で考えすぎるのって、そもそも無理があるんですよ。
もちろん、面接にあたって企業研究を重ねたり、話を聞いていく中で
「この部署でこんな仕事がしたい」
「御社のサービスをこうしていきたい」
という、入社後直近の具体的な「Doing」はあってもいいので、それを語るのはありです。でも、それも数年後に、企業の事業戦略や社会情勢、市場が変わったら、どうなるか分からないですよね。
なので、「Doing」じゃなくて「Being」が大事なんです。
「Being(どうありたい)」は、どうしても抽象的な回答になってしまうので「面接では具体的に話せ」ってアドバイスをされている人からすると、ついつい避けがちになってしまいます。
ですが、そもそも5年後とか10年後って、変数が多過ぎて全てを語る、予測することはできないため、抽象的な回答になってしまうのは一定仕方ないのです。
じゃあ、この「Being(どうありたい)」ってどうすれば見つかるのか、というと、答えは自分の内側にしかないのです。つまり、自分に問いかけ続ける、ということですね。あくまで自分の中にある答えなので、企業はそれに対してどうこう否定することはできません。もちろん、具体的にそのBeingを掘り下げるやり取りはあるでしょうですが、ちゃんと自分に対して向き合って考えておくことで、十分回答できる話です。
具体例を挙げてみます。
人材紹介会社への就職や転職を志している人のBeingとして
「採用のことであればとりあえず〇〇に聞いておこう」と社内外の人から第一想起される存在になりたい、とか。
例えば、何らかのSaaSのセールス職を志している人のBeingとしては
「何か社内で新しいサービスを立ち上げる際に、プロジェクトメンバーの1人として必ず声がかかる人材になりたい」とか。
もし、起業や独立することに寛容な会社の面接で話すBeingとしては
「5年後に何らかの分野で起業をしたいと仮に考えた際に、必要な資金力やプロダクト開発力、チームを組成する力や、マネタイズする力を備えておきたい」とかでいいのです。
※余談ですが、最後のは僕が社会人になってから一貫して持っていたBeingですね。
つまり、自分自身が、最もイキイキと働けている、毎日が楽しいと思える状態を想像して、それを自分の言葉でしっくりくる形で言語化して伝えられたらいいのです。
そのBeingが否定されてしまったり、方向性が異なると言うことでお見送りになってしまう会社とは、そもそも価値観が異なるので「お見送りになってよかった!」くらいに思う方が健全です。
【3】Being(どうありたいか)を考えるアドバイス
ということで、今回は面接で「5年後、10年後どうなりたいですか?」いわゆる「キャリアプラン」を聞かれた時にどうするか?ということについて解説しました。
まとめると、
面接官がキャリアプランを聞く目的
①仕事への価値観や志向性を把握したい
②実行力や達成力があるか知りたい
③候補者のビジョンと自社の方向性が合っているかを知りたい
の3つでした。
そして、数年後にどうなるか分からないVUCAの時代、キャリアプランを答える際には
「Doing(これがやりたい)」ではなく「Being(どうありたい)」の視点で答える
という話をしました。
このBeing(どうありたい)については、中々自分で言語化するのは難しいかと思いますが、転職活動という転機の機会で、絶対に考えておいて損はない話です。
1つヒントをお伝えするとしたら、5年後とか10年後に確実に言えることは何かというと、その時点で「あなたが何歳になっているか」ということです。
僕だったら、今は37歳なので5年後は42歳、10年後は47歳になっているわけです(精神の時の部屋にでも入らない限り)
その時にどうなっていたいかは、人によってシチュエーションも様々だと思いますが、手っ取り早いのは、自分の周りのその年齢の人で「こうなりたい人」を複数人あげて考えてみると良いかと思います。別に、同じ会社の人じゃなくても、社外の仕事の関係者でもいいですし、SNSで見ている面識はない人でもいいですし、芸能人でもいいかもしれません。
その中で、自分が「そうなりたい」と思った要素を抽出してみて、なぜそうなりたいと思ったのかを紐解いていき、具体的なBeingを描いてみるとよいかと思います。
※自社だけでなく、社外の人とも広く交流を持っておくと、こんなところでも役立ちますよね。
何かの参考になれば幸いです。
今後も、このnote(名もなき転職マガジン)では、転職やキャリアにまつわる話を発信していきたいと思います。
尚、今回の内容は以下の動画でも見ることができますので、よろしければぜひ高評価とチャンネル登録お願いしますm(_ _)m
▼今回のnoteの内容について話した動画
それでは、みなさん。今日もよい一日を。
もなき