のび太くん、ジャイ子と結婚する未来ではダメかい?
お疲れ様です。もなきです。
転職エージェントをしたり、スタートアップ企業の採用のお手伝いをしたり、採用動画のプロデュースをしたりしています。
最近、TwitterとYouTubeでの発信ばかりだったのですが、久々にまとまった文章を書きたくなり、noteをひろげています。
突然ですが、皆さんはドラえもんの第一話を覚えていますか?
ざっくりサマると
ドラえもんが(のび太の孫の孫にあたる)セワシくんとタイムマシンで登場。そこで、のび太の未来を知る。
ジャイ子と結婚→子ども6人→リストラし起業→会社が火事→借金苦→セワシくんの代まで借金が継承→そんなのイヤだ→未来を変えよう
こんな感じです。今にして思うと、法人(のび太の会社)としての損害がのび太個人に対して、しかも孫の孫の代まで継承されるってどんな状況なのだろうか、自己破産申請はしなかったのか?など色々とツッコミどころはあるのですが…。
いずれにせよ、のび太はその未来を聞いて「そんなのイヤだ」となり、運命を変えるためにドラえもんの助けを借りることになるわけです。結果、しずかちゃんと結婚する未来になったことはご存じの通り。
子どもの頃は、当たり前に受け入れていたこの第一話。大人になった今改めて聞いて、なんか違和感ありませんか?モヤっとしませんか?
今日はそのことについて(強引に)人生の意思決定や転職の面接と紐付けて考えてみたいと思います。
ドラえもんの話への見解だけ知りたい人は、以下の目次からチャプター04まで飛ばしてお読みください。
◆01.タイムスリップ質問
皆さんは、就活や転職活動の面接で「タイムスリップ質問」を受けたことがありますか?
「タイムスリップ質問」とは、僕が勝手に名付けている呼び方なので、ピンとこない人も多いかと思います。これは、
「●年●月のタイミングに戻ったとしたら、何をしますか?」
「この時の営業達成率を50%から100%にするとしたら、何をしますか?」
という、面接での質問を指します。
過去に、未達成だったその事実は、もはや変えようがありません。誰しも、一度や二度、未達成のタイミングはありますよね(僕もたくさんあります)
この質問では、その未達成の敗因を分析し、どう次へつなげることができる人か、を見ています。
つまり「失敗から学ぶ力」を見ているのです。
◆02.失敗から学ぶ力
ここでの回答で大事になってくるのは、「冷静に敗因を検証できているか」と「現実味のある対策を考案できるか」です。
例えば、達成率が50%だとして、それは自分の「商談数」が足りなかったのか、商談の「成約率」が足りなかったのか。
「商談数」つまり「量」が足りなかったのならばその「量」を挽回するためにどんな打ち手を取るのか。「成約率」つまり「質」が満たなかったのならば、その「質」を挽回するために何をすべきだったのか、です。
ありがちな回答としては「行動量をとにかく増やす」みたいないわゆる根性と気合いの回答なんですけど、おそらくその50%達成のタイミングでも、ちゃんと根性と気合いを持って仕事に臨んでいたはずなんですよね…。
これだと仮に新しい会社に入社しても、成果が満たなかった時に「とりあえず架電してアポ取りまくって頑張りますっ!」みたいなバカバリープラン、間違えた、リカバリープランしか言えずに、継続的に成果を出せる人ではなさそう、と思われてしまう可能性が高いです。
じゃあどんな回答が筋がいいかというと、「その人が現実味をもって話せる身の丈にあった回答」です。そのヒントは、あなたの達成した期間における「成功体験」に隠れています。
◆03.ウルトラCのアイディアを求められていない
成功体験に繋げる、って聞くと、なんだか打算的な面接テクニックに聞こえるかもしれませんが、結局あなたが「こうやったらうまくいく」とファクト(事実)ベースで語れるのって、「あなた自身の経験」からでしかないのです。
例えば「商談数」が足りないことに起因して未達成になってしまった後の期間で、あなたが取引先企業を増やすために、クライアント候補となる企業の関係者が多く集まるコミュニティやSNSに参加し、そこから新しいクライアントを獲得して商談に繋げて、成果を上げる実績を積んだ「成功体験」があったとします。
それであれば、先ほどの質問に対しては
「その未達成の期間は、担当するクライアントは上司から割り振られる企業のみで、商談数にも限界はありました。商談からの成約率は他の人と比較しても自分は低くないことが分かっていたので、商談数の分母を増やすことが大事だと考えました。そこで、自分で顧客候補を見つけてくるためのルートを確立し、成約確度が高い顧客を担当する循環をその後は作って安定して達成することができました。なので、先ほどの質問の、もしタイムスリップしてその未達成の期間に戻れたとしたら、そのタイミングから先行して【自前での顧客開拓の仕組みを作ること】を実践し、商談数の母数を上げに行くことで達成に繋げます」
という回答をするのがいいと思います。
この質問は、あなたの「ウルトラC」のアイディアを求めているのではありません。あくまで、日々の仕事において、きちんとPDCAを回せる人なのか、自走できる人なのかを見ています。
◆04.ジャイ子と結婚する未来を考える
冒頭のドラえもんの話に戻ります。
セワシくんが伝えた未来では、のび太はジャイ子と結婚し、6人の子どもに恵まれました。我が家も子どもが3人いますが、子どもが沢山いると大変ではあるものの、子ども達の日々の成長は嬉しく幸せです。のび太とジャイ子もいい夫婦関係なのでしょう。イクメンぷりも素晴らしいですね。
学業はあまり得意ではなかったようで、大学入試に3度失敗し、高卒から就職先もどこにも受からなかったようです。そして、就職が決まらなかったので、自分で会社を立ち上げます。今で言う学生起業家です。すごいバイタリティじゃないですか。創業記念パーティに多くの人が参加されていることからも人望が伺えます。
ただ、会社は5年後に火事に遭ってしまいます。大人になったのび太が花火を手に持っているので、おそらく会社のキックオフイベントの夜の部かなにかで、花火を社員としていたところ誤って引火してしまったのでしょう。これは確かに反省すべき点ではありますが、花火のタイミングは1993年と記載があるので、バブル崩壊後の中、会社は5年存続していた計算になります。何の事業をやっていたのかは不明ですが、それなりの経営力です。
その火事で会社が焼けてしまったことにより借金を背負い、孫の孫のセワシくんの代までのび太の家族は苦しむことになってしまったということです。
要は、何を言いたいかというと、ボトルネックになったのって、シンプルに「花火が引火してしまったこと」だけなんですね。
ジャイ子と結婚して6人の子どもに恵まれていたし、
大学受験に失敗、就活も失敗するも
学生起業して会社を5年間存続していたわけです。
しずかちゃんと結婚する未来との比較をした際にどうか、なんていう話は「たられば」であって、のび太はジャイ子との結婚生活で、花火による火事があるまでは、十分幸せだったはずなんです。
それであれば、セワシくんとドラえもんがタイムスリップしてまで伝えるべきは「●年●月、花火は絶対にするな!」だけでよかったのです。
◆05.タイムスリップしてまで戻したい過去はありますか?
いい学校に入りたい
綺麗な奥さんが欲しい
お金持ちになりたい
大きな家に住みたい …etc
そんな希望を持つのは悪いことではありません。
過去のあの時に戻ったらこうしていたな、、なんて「たられば」の妄想をするのも自由です。
でも、生きているのは「今」なんです。
色々な人生の選択をしてきた上で、今の自分がいるんです。
面接で「タイムスリップ質問」をするのは、あくまであなたの「失敗から学ぶ力」を見たいだけです。
「失敗から学ぶ力」をあなたがもっているのなら、これからの人生を、いくらでもよい方向に好転することは可能なんです。
あなたは、タイムスリップしてまで戻したい過去はありますか?
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