柿と栗を菓子として焼く
つくづく考えて、パウンドケーキにした。
田舎に引っ越すと言うことは、夫の親族から栗や柿を頂くことであった。
そして私の夫は辛党で、子は柿と栗の美味さを未だ知らぬ。私一人では食いきれぬ。
そうだ、菓子を焼けば良い。
菓子作りに自信は無い。メレンゲは必ず粉と合わせるときに潰れ、クッキーは鉄のようにカチカチになる。大体常に。それはいつも。
しかし、今日はなんだか取りつかれたように、気分で、その場その場の思い付きで、柿と栗のパウンドケーキを焼いた。
栗を10個分くらい?ゆでてほじくりだし、ひたひたの水と大さじ5くらい?の砂糖とレモン汁少々で若干ぐずぐずになるまで煮て、柿のみじん切り片手の平いっぱいくらい?を加えてさらに煮た。煮えたらちょっと潰した。形残るぐらい。
冷ましている間に、常温バター50グラムに砂糖60グラムくらい加えてすり混ぜて、溶き卵二個ぶんをちょっとずつ加えて泡立て器でよく混ぜた。
そこに栗と柿のミックス煮を入れて混ぜた。
小麦粉120グラムにベーキングパウダー小さじ1をふるいいれてさっくり混ぜた。
フルーツビッツをちょっと入れた。
百円均一で買った紙のパウンド型に入れて、オーブン180度で余熱して、40分焼いた。
これが秋っぽくて面白い味だった。生地の中にたまに栗がいる。ホクホクしてやがる。柿の味もアクセントだ。
旨い不味いで言われたら、人によっては不味いと言うのではないかと言う気がする。ケーキの中に栗が現れる感があんまり一般的ではない気がする。
だがこの無理矢理なホクホク味が、無理矢理秋の味覚を菓子に焼きこんだ感じがして、嫌いじゃなかった。二度と再現できないかもしれないが。特に柿と栗がらみの分量適当だし。
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