はじめに(to 社会不適合者
君にとって、世界はどんな風に見えているのだろうか。
世界は、社会は、人生は。君の目にどれくらい醜く、或いは美しく映っているのだろうか。
最初に多分皆が勘違いしていることを伝えようと思う。
「世の中の殆どは自分にはどうしようもないし、苦悩が無くなることもない」
「そんなこと分かっている。今苦しんでいる無力な自分が誰よりも」
そう、思ったかもしれない。
ただごめんだけど、そういう意味じゃないんだ。
きっと君は誰よりもそのことを分かっているだろうけど、そんな君じゃない全ての人にとって、どうしようもないことだらけだし、苦悩が無くなることは無い。
それが大金持ちであれ、権力者であれ、偉人であれ。
だからもし君が今の苦悩を克服したとしても、世の中にはどうしようもないことが溢れ、苦悩は続く。
「『皆頑張ってるんだからお前も頑張れ』とでも言いたいのか」
ううん、違う。それは私が一番嫌いな言葉だ。
「じゃあ何のために生きるんだ。生きていても辛い事ばかりなら死んだ方がマシだと言いたいのか」
正直私はそれを否定出来ない。でも私はそれを肯定したくない。
「『苦しみも悲しみも、全てをひっくるめて肯定して生きていこう』なんて綺麗事か?」
実はその通り。そんな陳腐な、ありふれた綺麗事を伝えたいのだ。
「あっそう。でもそれが出来るなら今こんなに苦しんでないっての」
きっと、そう思っているんじゃないだろうか。
私自身、意識高い系の言葉を聞く度にそう思い、反感だけを持った経験が何度もある。
そんな私だが、最近ようやく少し自分を肯定できるようになってきた。
この経験が他の誰かの助けになるように、書いていくのがこの『戦略的ルサンチズム』だ。
博識な人ならご存じかもしれない。
ルサンチズム、ルサンチマン的考え方といった意味の造語だが、このルサンチマンという言葉は主にニーチェ哲学で出てくるフランス語である。
つまり、これから書いていくのはニーチェ哲学を大本にした我流哲学だ。
哲学と聞くと難しそうと敬遠するかもしれない。
でも大丈夫。なるべく分かりやすく、現代に合わせた形で解説していくつもりだ。
それに何より、きっと君たちこそ、哲学的思考が得意な人達だと思うから。
因みに最初の記事は、「社会不適合者こそ哲学に向いている」だ。
これからそれを解説していくにあたって、幾つか断っておかないといけない大事なことがある。
これから書くことは私が見ている世界だ。
私の見ている世界では間違いなくそれは真実だけど、必ずしもそれが君たちの真実であるとは限らない。というか往々にして違う。
あくまでこれは私にとっての正解で、きっと幾つも「それはどうなんだ」とか「それは違うだろ」と思う機会がある。
そんな時は「間違ってて信用ならない=読むのを辞める」じゃなくて、その違うと思った気持ちを大事にして欲しい。
基本的に私の論は極端で、反感を持ちやすいものが多い。だからこそ、何に共感して何に反感を持つか、そこから自分の真実を見つける切っ掛けを得て欲しいと思う。
次に私が書いていく中で出てくる引用や例が、誤っていることも多々出てくると思う。
指摘があれば勿論都度修正はするが、実はそれほどそういった間違いを大して悪いと思っていないし、イチイチ厳密に確認してから書くこともしないと先に宣言しておく。
学術的正しさなんて、意味が伝わればどっちだっていいと思っているからだ。
なので私が紹介する引用や例については鵜吞みにせず、必要に応じて各自で確認してもうらようお願いする。
お次は用法用量にはご注意をということ。
これから書く文章は断言するが劇薬だ。
読むと大きく感情を揺さぶり、価値観を激変させるかもしれない。少なくともそうなれと願いながら書いている。
その結果二度と普通の人間に戻れなくなるかもしれないし、道半ばで絶望し自ら死を選ぶことがあるかもしれない。
だが私は責任を取らない。
だってそうだろ? 少なくとも、今のまま変われないよりかは納得できる、良い未来になるはずだから。
ただ注意して欲しいのは、一気に読むものではないということ。
一気に読むには刺激も強いし、何より君たち自身の心の整理が追いつかないと思う。
題名を見て興味を持てるようになったら読むという風に、年単位で読み進めて欲しいと思う。
「抽象的な事柄を断言すれば、大抵の言葉は名言のように見える」
最後にもう一度繰り返すが、これから語るのは私個人の答えだ。
これが全ての人に当てはまるとは思わないし、例え文中で「皆」とか「誰もが」とか言っていたとしても、経験不足のニートの狭い見識の中での不確かな断言だ。
より劇薬になるように敢えて大げさに書いたり断言したりしているが、上記の一文で分かるようにそれはトリックでしかない。
にも拘わらず、もしこれからの文章に激しく共感し全てが真実だと思いだしたら、まずは洗脳されてないかを疑った方が良い。時間を置こう。
読みながら、何を感じたかを確かめることをこそ、一番大事にして欲しい。
おススメは、手元にA4用紙を置いて、何か感じたら全部それに書きなぐるようにして読むことだ。
前置きが多くなったが、これが誰かの人生の手助けになることを切に願う。
2022年4月20日
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