健康サプリ被害拡大 その健康サプリ本当に効果ありますか?【脳科学】
小林製薬「紅麹」で健康被害相次ぐ
このチャンネルでは、身近な話題から社会に役立つ脳科学の正しい知識を発信していくことを目的としてやっております。今回はですね、小林製薬のサプリメント『紅麹コレステロール』の摂取による健康被害が多数報告されているということです。小林製薬によると、このサプリメントを摂取した多くの人が腎疾患などの健康被害を経験したそうです。さらに衝撃的なことには、腎疾患で亡くなった方もいらっしゃるということで、小林製薬は死亡とこのサプリの摂取に因果関係があるかどうかを現在調査中ということですね。で、今回はこの健康サプリ一般に対して、特に脳に対する機能についてちょっと深掘りしていきたいと思います。
そのサプリ、本当に効果がありますか?
よくいただく質問に、『今私こういうサプリを摂ってるんですけど、これって本当に効果がありますか』、みたいなのがあるんですね。で、聞いてみると、それが記憶力改善に効果があるとか、認知症予防の効果があるとか、いろんなエキスが配合されてるらしいんですけれども、正直に言ってそれが本当に効果があるかってのはわからないっていうことになりますね。逆に言うと、本当に効果があったらそれは医薬品になってしまうわけで、サプリメントとしては認められないので、これはちょっと変な話ですけど、効果があるっていうのはどうやったらそれは効果があると言えるのか、というのが、まずどうやってそれを検証するんだろうってのは難しいですよね、実験として。
血液脳関門ってなんだろう?
脳にはですね、血液脳関門っていうのがあるんですね。この血液脳関門っていうのは、英語で言うとBlood-Brain Barrierですけれども、『関門』というと、何かこう門番がいて『通さないぞ』ってやってるようなイメージがあるかと思うんですけれども、そうじゃなくて、脳に入ってくる全ての血管をグリア細胞のアストロサイトっていうのが取り巻いてですね、全部監視してると。なので、脳に余計なものが入ってこないように守ってくれてるんですね。じゃあ、何が脳にとって余計なもので、そうでないか、何が脳に入ってくるのかってのは、なかなか難しいんですよね。完璧にはちゃんと理解されていないんですよね。どういう基準でこれを通せて、どういう基準で弾くのかってのは、よく分かってないんです。薬物送達っていう一つの学問になるくらいですね、非常に奥が深いんですね。例えばですね、せっかくアルツハイマーに効く新薬ができましたといっても、それを飲んだとしてもですね、血液脳関門を越えられませんでしたとなると、それは飲んでもあまり意味がないということですよね。なので、血液脳関門を越えるか越えないかっていうのが、結構大きな壁になってくるわけですね。
脳に余計なものを通さない血液脳関門
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