AVACUS FARMで農家さんを悩ます「規格外農産物」を暗号資産の価値にかえる取組み
暗号資産の価値を手に入れるCtoC型マッチングサービス
Avacus(Avacus.io)のエコシステムを活用して、これまでは廃棄するしかなかった規格外農産物に暗号資産で価値を付与しようとする取り組みがはじまっています。
深刻なフードロスが社会問題になっている
フードロスとはまだ食べられるのに廃棄される「食料廃棄」を指すことばで、近ごろよく耳にするSDGsで掲げる17のゴールのひとつのターゲットにもされている(12番目の「つくる責任 つかう責任」のなかに「2030年までに世界の食料廃棄を半減する」と記載されている)全世界共通の社会課題です。
日本でのフードロスは年間で640万トンを超え、毎日大型の10トントラック約1700台分もの食料が廃棄されています。捨てられてしまう食品は売れ残りや家庭で発生する食べ残しといった消費者の付近で発生するものの他に、生産現場でも年間350万トンもの「不本意に発生する廃棄」が存在します。
「規格外農産物」とは
私たちがふだん店頭で手にとる野菜や果物は、どれもほとんど形や大きさが整ったものが並んでいます。それは農産物には市場で定められた厳密な規格がありそれにより評価が振り分けられているためです。規格外農産物とは、定められた規格にあてはまらず市場に出荷ができないものを指します。
大きすぎる・小さすぎる・曲がっている・栽培の過程で傷ができてしまったなど、規格ににあてはまらないものは味に違いがないにもかかわらず「規格外」として扱われ、一部は加工用に安値で流通することもありますが、そのほとんどが店頭に並ぶことなく廃棄処分されています。
規格外農産物とオーガニック後進国
規格外農産物がうまれる根底には、消費者の「味や安全よりも見た目の良し悪しを重視する傾向」が強くかかわっているようです。特に日本では傷のない完璧な見た目の野菜や果物が好まれると言われています。見た目のよい、規格に沿った均一な大きさと求められる品質をクリアするために化学肥料や化学農薬を必要以上に使っていることもあるでしょう。
反対に農薬を減らせば減らすほど規格外品が生じる可能性は高まります。農産物は自然を相手にするものですので、収穫するまでどれくらいの規格外品が生じるのかわかりません。手間をかけ丹精込めてつくっても、規格外のために出荷できず利益を確保できなかった場合、それが続くと農家さんは農家を続けられない状況になってしまいます。
高い志をもって、農薬をできるだけ使わずに環境に優しく、子どもたちにも安心して食べさせられる野菜や果物をつくろうとすればするほど「形が悪い・大きさが揃わないという理由で出荷できず、見た目が悪い・虫がついているかもしれないという理由で売れない」そんなことでは農家さんも心が折れて当然です。
近年健康志向の高まりともに「オーガニック」「有機」という文字が多くみられるようになりましたが、それでもなお有機栽培が日本の農産物の売上高に占める割合は、わずか1.5%と伸び悩んでいます。
見た目の良し悪し=農産物の良し悪しではない
本来、野菜や果物は自然のものであり自然の中で育つもの。形はそれぞれ違っていて当たり前のものです。自然のものを工業的のような規格に当てはめようとするから、無理や無駄が生じるのではないでしょうか。
店頭に並んでいる野菜や果物に虫食いがないのは化学農薬を使用しているから。見た目が揃っていてきれいなのは厳しい選別をしているから。
その裏側では同じ条件で育てられ中身が同じなのに捨てられている野菜や果物が多くあると広く知られるべきです。
暗号資産で「捨てられるはずだったもの」に価値を
AVACUS FARMはAvacus生態系の有志による独自プロジェクトです。
発起人の3Dパパさん(@3d_papas)はAvacusBazaarへの出品代行スキームを展開しています。
✅農家さんの適正な利益確保
✅買い手とマッチングしたら売上金の半分を先払い
✅農家さんの作業負担軽減のため1週間までの発送
Avacusユーザーは、スーパーマーケットに並ぶことのないユニークな野菜や果物をお取り寄せ感覚でAvacusBazaarから暗号資産で購入することができ、規格外農産物を購入することが社会課題への取り組みにつながります。
■AvacusBazaarとは
手持ちの品を暗号資産で売買できるフリーマーケット。
新品・中古品問わず、ファッション・雑貨・食品・ハンドメイドなどが多数並んでおり、ユーザーは個人商店のような感覚で自分のショップを複数持つことが出来る。簡単な操作で出品・購入でき、販売益はそのままショッピングやクラウドソーシングなどに利用可能。
■AVACUS FARMサービスイメージ
■農家さん向けAVACUS FARM利用方法
①LINEを立ち上げ「AVACUS FARM」を友だち追加する
QRコードをスキャンまたはLINE ID@448fxkgqで検索
②出品依頼とともに売りたい農産物の写真を送付する
③掲載内容を確認後、AvacusBazaarへ商品を投稿
■暗号資産のメリット
AVACUS FARMでは売上金の支払いを暗号資産または日本円で選べます。
どちらの場合もオファー成立後に商品代金の半分が送金され、購入者のもとに商品が届き、評価完了後に残りの半分が送金されます。
暗号資産で受け取った場合は、Amazonでの物品購入など割引のお買い物に使用できるほか、クラウドソーシングなど幅広く活用することが出来ます。法定通貨に比べ価格変動しやすいことも特徴です。
▲AvacusではAmazon価格からさらにディスカウントでのお買い物が可能。販売益で農業用機器や資材などを購入したり活用してみては(^^)
AvacusBazaarで規格外野菜が飛ぶように売れる!
AVACUS FARM第一弾は群馬県みなかみ町「月夜のりんご」
こちらは出品と同時に即完売!
その後2回にわたり再販するも毎回24時間以内に完売という記録をもつ伝説のりんごとなりました
売れすぎて農家さんが若干引いている「りんごチップル」
りんごジュースやりんごチップルなどは人気商品として現在も販売中です
https://avacus.io/bazaars/shops/a907dfb4-ccb1-40e5-82dd-2c6ebf18032d
第2弾は静岡県伊豆市松崎町産の「栄久ポンカン」
「幻のポンカンを暗号資産で購入できる」と話題になりこちらも即完売!
あまりの売れ行きに200㎏の追加販売が決定、Twitter上では購入したユーザーの書き込みが続々と投稿され、投稿を見たユーザーが購買にいたり、その後実際に自身も投稿するといったブームが生まれました。
AvacusBazaarで飛ぶように売れているこの果物たちこそ、規格外品として「これまでは捨てられていた価値」です。
Avacusを通じて「味や安全に問題がなくまだ食べられるのに廃棄せざるを得ない食品」と「多少形が悪くても中身に問題がないなら安全でおいしい食品を食べたい」「手持ちの暗号資産を価値に換えたい」消費者をマッチングさせた結果、農家さんにとってはこれまで捨てていた規格外農産物でも収益を上げることができて新しいチャレンジにつながる、廃棄も減る、消費者にとっても購入の選択肢が広がる。ひとりひとりができることはほんの小さなことだけどフードロスという社会課題解決の小さな小さな一歩として全員が「ちょっといいことをしている気持ち」になる。
デジタルがフードロスを救う?
これまで価値がないとされていた・価値をつけることができなかったものに価値を付与できるという部分はまさに暗号資産やトークンエコノミーの得意分野です。
規格外品の過剰な流通は値崩れをおこすのではないか?と言われることもありますが、販売チャネルを分けることですみ分けができるかもしれません。
たとえば同じスーパーマーケットの中で見た目がきれいな規格品とちょっと形が悪いけど味は変わらない規格外品が並んだ場合は、消費者は安いほうを選ぶでしょう。それにより規格品の売上が落ち全体の相場が下がってしまう恐れはたしかにあります。
そこで規格外農産物が消費者の手に届くまでの経路を、円とは切り離されたAvacusというデジタル世界につくり、価値があるものには相応の価値をつけましょうというのがAVACUS FARMの取り組みです。
マーケティングへの工夫がカギ
規格外農産物を「訳あり品」という言い方で販売されているのを目にすることがあります。規格品となんら変わらない手間のかけ方で大切に育てられた規格外品はほんとうに「ただのお得な農産物」としてのみ売られるべきなのでしょうか。規格外農産物は外見の良し悪しを判断軸とした場合に訳ありなのであって、「味がいいか・安心して食べられるか」という軸においては形が悪いことは訳ありではないと思いませんか。
そこには規格外農産物の価値を十分に伝えられていないという問題があります。店頭では産地までは表示されていても生産者のこだわりや想いまでは表示されていません。商品説明を工夫するだけでも商品価値を高めることが十分に可能で、意外にもそこそこ普通の値段で売れるものです。これまでのAvacusBazaarでの販売実績を見ても、一般的な訳あり品のように採算度外視の超安売りではなく、適正な利益を確保できる価格で売れています。
またトークンエコノミーは、コミュニティマーケティング的な側面からも魅力があると考えます。伊豆のポンカンのSNS投稿ブームはまさに自発的にコミュニティマーケティングが機能した例です。
価値を伝えていくことが今後の課題
「価値を十分に伝えられていない」という問題は消費者に対してだけではなく、供給者である農家さんに対しても言えることで、潜在している規格外農産物のニーズ・暗号資産での需要・デジタルのポテンシャルが十分に伝えられていないこともまた今後の課題と言えます。
暗号資産による販路開拓は総合的な視点で見てもプラスが大きく、発展途上の経済圏だからこそ、そこにビジネスチャンスもあるということをもっとわかってもらえるようにしていきたいですね。
Avacus経済圏におけるFarmとは
またAvacusのトークンエコノミーにおいて、「Farm」という言葉がもつ概念としては規格外農産物だけにとどまらずもっと広い幅をイメージできるかと思います。たとえば後継者不足で放置されている耕作放棄地を借りたい人とマッチングさせたりもできるかもしれませんし、クラウドソーシングをつかって収穫作業のお手伝いを募集することもできるでしょう。
Avacusを活用した取引や販売事例が増えるほどAvacus経済圏は活発になり、Avacus内での循環スピードは加速していきます。
暗号資産やトークンエコノミーには、フードロスという世界中の誰もが取り組むべき課題や、農薬を減らせば減らすほど収入にならないという作り手の現状など、農家さんや私たちを取り巻く様々な問題に対して最適な解となる可能性が秘められていると確信しています。
まずは暗号資産で価値のある「もったいない」をおいしく食べることから、はじめていきませんか。
参考文献
1. もったいない!食べられるのに捨てられる「食品ロス」を減らそう
2. 「オーガニック後進国」日本の残念すぎる事実 東洋経済オンライン
3. 日本で有機農業が伸びない理由
4. オーガニック後進国・日本にはびこる「国産商品は安全」という神話