新しい別れの形【オンライン葬儀】を経験してみて
緊急事態宣言が日本各地に出されていた4月。母が亡くなり慌ただしく葬儀の準備に追われていました。
葬儀に参列したくてもできない高齢の親戚や遠方にいる身内にも、たとえ離れていても一緒に母を送り出して欲しい、そんな思いからオンライン葬儀をすることにしました。
noteに記すかどうか迷いましたが、この経験が誰かの役に立つのではないかと思い記事に残します。
もし苦手な方はここでUターンお願いします。
まずオンライン葬儀ってなに?
パソコンやスマホのアプリを使ってオンラインで葬儀に参列するものです。
一般的にはzoom、Skype、LINEなどのアプリを参列者が事前にダウンロードし、葬儀会社から送られてくるURLにアクセスして弔問します。
さて、ここからが本題です。
オンライン葬儀をした理由
言わずもがな昨今のご時世ゆえ。
緊急事態宣言下、長距離の移動自粛が求められており、私が住む大阪は感染者が爆発的に増加していました。
あの時は「大阪ヤバイ」的な空気が流れてて、軽々しく「大阪から来ました〜!」とは言いにくい、そんな時期でした。
高齢の親戚が参列し、もしも感染してしまったら。。。
それこそ、感染してしまった人にも他の参列者にも、そして母にも申し訳がたちません。
自分の家族にも、緊急事態宣言下に東京ー大阪間を移動するリスキーなことをしてほしくはありませんでした。
それにオンラインにすれば、高齢の親戚、大阪にいる自分の家族、海外にいる姉の家族もみんなが参列することができる!
こんな便利なモノ利用しない手はない、いや、するしかない!
事前確認と電波状況
まず、宗派によって様々なお考えがあると思うので、オンライン葬儀がOKかどうか一番最初にそこは絶対に確認してください。
やってみて初めて知ったのですが、中継基地局と斎場がとても離れていたり、地形的に電波が入りづらいなどの問題から、すべての斎場・葬儀場でオンライン葬儀が行えるとは限りません。
オンラインに対応しているかどうかの確認は葬儀会社を通じてしますが、私の場合は問い合わせを依頼した翌日が友引だったため、回答に二日かかりました。
オンラインできるの?できないの?
と結構ヤキモキしましたね〜。なので葬儀まで日にちが空かない場合は、素早く依頼した方が良いかもです。
デジタルに不慣れな親戚が夜中まで特訓することになった
基本パソコン、スマホが使える人にはZOOMをダウンロードしてもらうようにしました。
ですが、デジタル関係をサポートできる人が近くにいなかった高齢の叔父夫婦は、ZOOMを諦め従姉妹が当日LINEで繋いでくれることになりました。
ところが LINEを使ったことすらなかったため、まさかのLINEアプリをダウンロードするとこからのスタートに(汗)。
えー、そこから?という感じですが、設定、実際に使ってみるところまで、自宅の電話とスマホを駆使しながらのリモートによる特訓は夜中近くまでかかったそうです。
従姉妹のYちゃん、本当にありがとう!
当日の様子
専門のスタッフが1名付いて撮影から配信までしてくれました。
事前の打ち合わせで流れを確認して、特にココを映して欲しいと言ったリクエストも可能な限りきいてもらえました。
我が家は入り口付近に思い出コーナーなるものを作っておりました。
母の花嫁姿の写真から割と最近の姿まで、母が姉妹弟たちに囲まれている写真など、パッと眺めるだけで、結婚してからの生涯がわかるような写真をディスプレイしたので、そこを画面越しにでも見て欲しかったのです。
ちなみに思い出コーナーは、斎場に足を運んでくださった方から非常に好評でした。
基本的に式の間中カメラ位置は固定でしたが、最後の出棺の時にはお顔のそばまで寄ってアップも撮っていました。
火葬場は撮影NGとのことで、カメラは出棺のところまでした。
もっと詳細にお伝えできたら良かったのですが、涙と喪主の挨拶がちゃんとできるか不安でかなりテンパっておりまして。。。あまり覚えていなくてスミマセン。
オンライン葬儀のリアルな感想
実際にオンライン葬儀をやってみて、非常に良かったと思っています。
オンラインにしたおかげで、大阪にいる私の家族、海外にいる姉の家族も参列することができました。
サポート体制さえ取れれば、介護施設や入院中のベッドからでも参列が可能です。
世界中どこにいても参列できるのは素晴らしい!
超高齢化社会の日本には必要なシステムだと思いました。
もっと普及していくといいのに。
ただし、配信側、視聴側双方の通信環境に大きく左右されるため、どこでも誰でもオンラインとはいかないのが残念なところです。
最後に
健康上の理由や海外在住など、さまざまな理由で葬儀の参列を諦めていた人が諦めなくていい。
画面越しにでも大切な人とのお別れをして、送り出してあげることができます。
もしかしたら、それでもやっぱり直接お別れをしたかった、そういった思いは残るかもしれません。
お別れの気持ちは人それぞれ、100人いたら100通りあると思います。
ですが、少なくとも葬儀に参列できなかったという後悔や心残り(あれ、同じかな?)をする人は減るのではないでしょうか。減って欲しいな。
オンラインは決して不義理なわけでも、礼儀を欠いているわけでもありません。
言い方は悪いけれど、仕事の関係などで顔も知らない人の葬儀に参列してただ礼儀として手を合わせるのと、画面越しだとしても心から手を合わせるのとではどちらがより故人を思っていると言えるでしょうか。
病院や介護施設でオンライン面会が急速に普及したように、これからオンライン葬儀がもっと普及して、お別れを諦めなくていい社会になればいいのにな。
お別れの形はもっと自由であっていい!
最後まで読んでくださりありがとうございます!
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