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市役所前に外国人母と息子3人が立札を持っていた切ないお話

今日、市役所前に1枚の印刷された紙を持っていた女性がいました

小さい日本語がいろいろ書いてあったのでよく見てみると次のような文章が書いてありました

①数年前家の近くの小学校で先生や生徒からの差別を受けた
②その後転校した(手続きは不明)
③今年の4月から転校先に以前いじめていた先生が赴任してきた
④子供は苦しんでいる
⑤どうしたらいいですか?(←と書いてある)

ちょっと見て、市役所の用事を済ませて帰るとき、まだ立っていたのです。
ひとまず学校に関することなので学習施設課に電話したところすでに誰かが連絡したようで担当が向かっていると。
一応私も電話しちゃったし到着まで待ちつつ話を聞くことに。

母親の言い分は文章のままで、要するにその先生や生徒からの差別が辛いんだと。私はまた引っ越ししないといけないのかっていう苦情を市役所前で市民にアピールしていた訳です。(要件があるなら管轄部署なり市役所内に入ればいいわけですから)

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私は彼女がなんの実効性の無い訴え方をしている理由に理解ができず悩みましたが、私は多様性を尊重していますので彼女が男か女か、実親か義理親か、日本人か外国人か差別せず正直なご提案をすることにしました。
私から親御さんに伝えた内容

①言い分よく分かる。人種や肌の色で人を区別することには反対
②一方で大多数が日本人の環境に今いる以上、文句を言っても仕方ない
③市役所前で何時間立っても現状は変わらない(親なら効果のある行動をするべきだ)
④日本の制度では保健室や学校外にそういう駆け込み寺があり勉強ができる。その施設は今からくるおじさん達が案内してくれる
⑤他人の価値観や動きを制御することは不毛で、自分自身が立ち回りを変える方がずっと早いと思う


そしたら彼女怒っちゃって。「なんでずっと逃げないといけない?私たち何もまちがってない!」って言うんです。「それは私も分かるけど、ここに子供を連れてきてる今も本来子供が勉強できる時間を奪ってる。子供の為に最も即効性で効果のある対応をするべきだ」と答えました。
じゃあなた子供が同じ目にあったらずっと逃げるの?!まちがってないのに!」だんだん母親の価値観が分かってきました。周囲には市民の目もあります。私は「逃げ続けたらいいじゃないですか、きっと子供に合う学びの環境がみつかりますよ。少なくとも市役所の外で立ち続けてる間子供は勉強ができていない。今よりはずっといいと思・・・」

じゃアナタずっとニゲテロ。私なとくいかない


これは傷つきました。何か役に立てればと思って電話やら(日本の制度に慣れてないと思って)施設や保健室の存在を伝えたのにまさか臆病者呼ばわりされるとは。
ここで学習施設課の人が到着。とりま学習施設課で話そうとなって撤退していきました。帰り際にさえ「あなたはにげてろください。ずっとにげていなさい」と言われる始末。


役所の方来て知ったのですが、どうやら彼女前回の引っ越し時も揉めてたらしく市役所側でも対応を決めかねてるそうです。それでも無視したり無下にしない市役所偉い。自分のできる権限の範囲と、彼女が納得してくれる妥協線を模索しようとしてる。

一方彼女はどうですか。子供の差別に立ち向かおうとする姿と、「教育現場はこうあるべき」という理想だけを役所に押し付けている姿がちぐはぐ。自分以外の人間が変わることなんてないのに。青い鳥がいないからって文句を言ってもはじまらないと思うんですけどね。


「”逃げるが勝ち”って言うじゃないですか」という諺は多分彼女知らないと思ったので言いませんでした。

人生どんどん逃げればいいと思います。どっかで逃げられない敵が出てくるまで。

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