高齢者世帯タイプ別対応法
70年80年と人生を長く生きていると様々な価値観や経験を獲得します。人は例外なく歳をとり、介護保険を利用します。
福祉用具の仕事をする私の目線から見た高齢者の方、そして介護するご家族様のタイプ別対応法を共有します。これは単なる高齢者向け事業に携わる人だけでなく働き世代の人にも役立つかも知れません
はじめに
私は福祉用具貸与事業所を営んでおりますが、福祉用具貸与事業所ってなにするところだと思いますか?
福祉用具って杖とか、車いすとか、ベッドとか、そういうものです。それを購入して自社在庫として人々にお貸出する。そのうちの9割が税金で賄われ1割が個人負担となります。福祉用具は国の審査を受けて「タイスコード」と呼ばれる番号が割り振られたものに限られます。
高齢者の方や介護する人はいろいろな人を通じて当社を見つけ、お仕事が始まる訳です。当社の場合は一筋縄ではいかない利用者さんが得意分野となります。ケアマネジャーさんも病院さんもそういう方の対応は手間がかかるので嫌がるのですが。
さっそくいってみましょう。
高齢者レベル1「ドケチ」
お金にとってもシビアです。1円単位でお金を計算したり、口座振替が嫌いで、現金をこよなく愛しています。その割集金に行くとなかなか払ってくれません。中には「あと10円負けてくれん?」という不思議な価格交渉すらはじまります。こういう人の場合1か月分相当のジュースなどを差し上げています。
高齢者レベル2「すぐ変えて」
搬入してさあ契約!と思いきや翌日やっぱり変えてって言われるタイプです。退院前に病院で話して、退院後ケアマネさんと話して、福祉用具の搬入日取りもずっと同意してたのに搬入翌日に変更を言われてしまいます。「なんで途中で言わなかったの?」という気持ちと「1日で何が分かったの?」という気持ちがあります。こういう人の場合何が嫌だったのか訪問してじっくり聞きます。だいたいは愚痴を聞いてあげると交換せずに済みます。
高齢者レベル3「決められない」
とても厄介なタイプです。ベッドの設置場所も、車いすの機種も、色も、何も決められない。じゃあほっとけばいいかというとそうもいかず、多くの場合病院から即搬入の指示が出てたり床ずれ(褥瘡)が出てたりしますので本人の認識とは違って意外と急がないといけないケースが多々あります。こういう人の場合病院などの明確な指示を仰ぎそれを搬入します。床ずれってすごく痛いんですよ!
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次は介護者です。娘様、息子様、または兄弟の方ですね。中でも重要な連絡先をキーパーソンと呼んだりします
介護者レベル1「ほっといて」
骨が見えるくらい床ずれひどくて、もう畳で寝たらだめってケアマネさんが説得するのになぜか搬入させてくれません。多くの場合は費用面の負担なので自費ベッドなどで妥協案を模索しますが、稀に「意味もなく家に人が入ってほしくない」人もいたりして玄関の外で担当者会議をしたりします。ねえ本人さん生きてるよね?こういう人の場合福祉用具選定の為に2分でいいので動きを見せてくださいと言います。
介護者レベル2「ネットで見たんですが」
「ネットで見たんですがOOしてみてくれませんか」系。自分でやらないのはうまくいかなかったときに誰かに責任をとってほしいからです。ネットで聞きかじった知識をひけらかしマウント取る人もいます。それだけならまだかわいいのですがネットこそ真実、ケアマネはエスタブリッシュメントであり偽善、と言い出しちゃうとケアマネさんがブチぎれないかヒヤヒヤします。こういう人の場合は5ちゃんねるおすすめスレを聞きます。
介護者レベル3「虐待初期」
ちょっとこれは虐待初期じゃないか?っていうパターン。私も祖母を介護してるんで介護する人の”いつ終わるか分からない上に少しずつ負荷が増えていくストレス”は痛いほどよくわかります。特にキーパーソンが働き世代ならなおさら。たちが悪いのは「高齢者の方にもう身寄りがいなくてこの介護者しか残ってない」パターンだと介護者さん自身も独りぼっちなのでついつらくあたるのでしょう。お金を使い込んじゃってるケースもあれば無理に引っ張って転倒させてしまったりしています。認知症だからときつい言動で当たってもそのストレスで認知が加速するだけであることを本人は知らないんです。こういう人の場合はいろんな機関に連絡します。
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さいごに
いかがだったでしょうか。私は「ほかの事業所に頼みにくい案件を優先してやらせてください」と人に言っているのでいい経験をたくさんさせてもらっています。誤解しないように言っておきますが、どのパターンでも適切にケアマネさんや病院と連携をとりますし、肝心の私はほとんどストレスを感じていません。自分が介護をしていることもあるのかも知れません。
なかなか面白い文書だったというそこのアナタ。愛媛県松山市の福祉クラスタはITが遅れておりレビューが来ませんのでgooglemapから★5を付けてください。次はあなたのための記事を書きます
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