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教育システムの違い🇫🇮🇯🇵後編

前編では、「プレスクール(就学前教育)で時間をかけて小学校に慣れること」
「教育費の無償化によって誰もが平等に学べる権利をもっていること」について触れました。後編では、残りの3つを紹介していきます。


3:中学生から将来の進路を考える

まずフィンランドでは、中学卒業後の高校進学に受験制度は無いそうです。
中学校での内申点で学校が決まる仕組みになっています。
志望票をもとに内申点の良い人順に
行政側が割り振っていくというシステムだと聞きました。

また、
①大学や大学院に行きたければ高等学校へ(勉学っていう感じ)
②手に職をつける応用科学大学へ行きたければ職業学校へ(実績や経験を積むという感じ)
の大きく2つの進路選択をすることになります。

つまり中学卒業後の15〜16歳の時点で将来の職業のことを考えて進路を選択しなければなりません。
(途中でやっぱり思いが変わったから大学に変更することや応用科学大学に行くことも可能だそうです。)

こちらの高等学校は単位制で、自分でカリキュラムを組み、
早ければ2年でも卒業できる制度になっているそう。
ゆっくり4年かけても良し。
学年やクラス単位で学ぶこともなく、
とにかく自分で決めて、自分で進めることがポイントだそう。
そして高等学校の最後に「卒業資格試験」という全国統一テストが行われて
合格すれば晴れて卒業となります。

どうやらこの試験は大変らしく、小中学校の卒業式は簡素なものと聞きましたが
高等学校の卒業式は記念の白い帽子を被り、
とても華やかに祝われるそうです。
(ちょうど6月1日にヘルシンキにいたのですが、街には卒業生のような人たちが
たくさんいて、お祝いのお花をもっていたり、レストランでお祝いをしたりしていました!)

簡単な説明になってしまいましたが、
自分の通っていた普通科の公立高校とはかなり異なっています。
高校でやっと大学の学部のことを考えていました、、、。
部活や文化祭を楽しむことも良かった思い出ですが

フィンランドの制度の方が
自分の将来を考えての勉強する気持ちが芽生えて良いなと思います。

4:偏差値と塾が無い

高校や大学に偏差値という考えが存在しないと言う話も
ホストマザーから聞きました。
日本だと卒業した大学の偏差値で就職が決まってしまうことも
よくある話ですが、ここの価値観が全然違いました。
高校の卒業試験を合格するために浪人する人もいれば、
大学卒業後すぐに働かずに旅行やアルバイトやインターンをしながら
就職先をゆっくり考える人もいるそうです。
教育費が無料であることや国がやっている低利息の学生ローンなどの
おかげか多種多様な自分に合った道を選べる環境があることが分かりました。
たくさんの選択肢がありすぎて、
偏差値など測れないということかもしれません。

今回のスタディツアー中にも
「(フィンランドでは)長い間、同じ職業に勤めていることは偉いことじゃない。」という話があり、とても興味深かったです。
年功序列という概念ではなく、
「ずっとその職についてる=その職業がよっぽど好きなんだね」
という捉えをされるということでした。

また、塾もほとんど無いと言っていました。
受験戦争のような文化無いので、塾も必要ないのかなと思いました。
国民の平等性のために教育費を無償にしているので
塾のような有料での教育はあまり浸透していないようでした。

日本の教育形態では、
どうしても家庭の金銭面で進学先が決まりやすかったり
進学先の大学の偏差値で就職先が決まりやすかったりする現状があります。
就職先が収入に関わってきてしまう点でも
平等な教育とは言い難いなあ、、、と思ってしまいました。

日本の就活のような一斉就職のタイミングも無いと聞きました。
先ほど書いたように大学での学び方や卒業後の進路は様々なので
一斉に就職ではなく、自分でインターンやアルバイトをして見つけていくという話も聞きました。
(ここら辺の詳しい話はいつかもう少し取材したい!と思います)

5:先生の働き方

今回タンペレ市内の2つの小学校に訪問し、先生たちに質問をしてきました。

たった1日の見学で人間関係までは分かりませんが
とにかくみなさん笑顔で楽しそう!!
そしてコミュニケーションが軽やか!!
新築の学校では、自分の机はなくフリーで
とにかくカフェのような空間!!

奥にマッサージチェアもあります。電話用の部屋や集中したい部屋などもあります。

そして、勤務時間については
先生「クラスの子供たちが帰ったら、もう2時には帰るよ。」

私『2時?????!!!!』

先生「あとは家で仕事するからね。」
なんとフレキシブルな、、、環境。
パソコンも持って帰れるので家でも出来るとのことでした。

もちろん定時までやって帰る先生方もいます。
しかし、定時を過ぎる人はいません。
(これは、フィンランド全体の労働環境が大きく関係しています)
先生方に聞くと、
残業代は出ないので早めに帰って
家でやっても同じという感覚だと言っていました。
家で家族やお子さんの様子を見ながら仕事ができることは
本当に良いことですよね。
また、フィンランドではコーヒー休憩の義務もあるので
先生方は仕事の合間や休憩に
職員室でゆっくりコーヒーを飲んでいました。

とにかく勤務時間と環境が日本と全然、、違いました😭
重い雰囲気や仕事で詰め詰めになっている雰囲気ではなかったです。

フィンランドで教員になることの条件や難しさは
また日本とは全然違います。

先生たちの子供達への熱い想いや
スピーディーな児童への対応も分かり、
改めて子供のためにも先生のためにも素晴らしい環境だと思いました。
この環境を作りたい〜〜〜〜と心から思ったのでした。


また見学して聞いてきた詳しい教育内容は
別の記事で挙げたいと思います!

最後まで読んでいただきありがとうございます。kittos paljon!

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