森美術館のワールドクラスルームで現代アート入門してきた
六本木・森美術館にて
ワールドクラスルーム 現代アートの国語算数理科社会
を観てきました!
解説が丁寧なので、現代アート初心者でも楽しめました
解説文をとっかかりにして解釈していく感じ
特に面白かったのは国語と社会
1.国語
国語は教科の説明文が好きでした
長らく視覚芸術が重要視されてきた中で
「形や行為ではなくアイデアやコンセプトこそが作品において最も重要である、としたコンセプチュアルアートが勃興し、言葉による表現に多くのアーティストが挑戦した」
という美術史の変遷は大変面白く興味深い
森村泰昌の肖像(双子)では、黒人と白人それぞれから眼差される東洋人男性が描かれています
東洋人男性が西洋的な眼差しによってしばしば女性とみなされてきた、というのは初耳で衝撃
眼差し眼差される主体と客体の関係というのは、それこそ哲学で長く議論されている通り極めて複雑なものです
東洋人男性という記号によって、美術において一方的に女性が眼差されてきたという不均衡な関係が暴露されたことは、とても意義があると思います
2.社会
社会は、韓国の美術館が学生向けに行ったワークショップの映像が面白かったです
日本の帝国主義時代の様々な教科の学習を、韓国の学生が自分たちの体を動かして追体験するというもの
かつての日本の体育教育独特の一糸乱れぬ隊列とか集団行動に韓国の学生たちが辟易しているのが印象に残りました
自分も小中高と、体育大会の入場行進で膝の高さや腕の振り方が全員合うまで永遠に行進の練習させられたり、ラジオ体操が得点に入ってたりした学校出身なので……
時代錯誤なことをやっていたんだなと再認識
社会は他にも様々な角度から社会問題に切り込んだ、切れ味の鋭く独創的な作品が多かったです
3.哲学
個人的に一番期待していた哲学は、デジタルなゼロとイチを生と死に当てはめ、カウンターの明滅で表現したりと仏教寄りでした
哲学の中では、石や紙、鉄などを人間の手つかずの状態で展示する「もの派」を牽引したアーティストであるリ・ウファンが気になりました
展示は、「あるがままの世界との出会いを追求する」彼の哲学の体現であり、世界の新たな調和を求める彼の実践である、とのこと
確かに芸術のためであれなんであれ、あらゆる加工は恣意的に行われている訳で
そうした人間の意図とは無関係にものを配置し、美術館で展示することは、無意味な行為に見えて、人間の鑑賞態度を逆手にとって逆に意味を発生させることが出来るよなぁ、と
4.まとめ
数学理解総合音楽体育は端折りましたが、各々の趣味次第で、いずれかの教科で好きな作品が見つかるのではないかと思います
小難しそうなイメージを持ちがちな現代アート
私もその1人でした
しかし、解説が丁寧&教科毎という切り口のおかげかもしれませんが、実際に行ってみると意外とわかりやすったです
現代アートとの距離がぐぐっと縮まった展覧会でした!
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