友達の賞味期限と優しくない自分
友達の賞味期限。
この言葉を聞いてえげつな…と思ったのはいつだったか。
最初に聞いたときは言葉の意味がわからなかったけど、何となくだけどああこういうことねと思う時が今までになかったと言えば嘘になる。
一番初めにこの言葉がぴったりな場面にでくわしたのは今から数年前にとある友達と久しぶりにご飯を食べた時。
その友達とは昔は深夜遅くまでくだらないことを話し合ってたりしていた、そんな仲。
偶然会ったことがきっかけでご飯を食べることになった。
ご飯に行く日、母親にどうせ結婚の報告だよって言われてそれならそれでまぁいいのかなと思っていた自分に言いたい。
行かない方が良かったよと。
ご飯の席に着くなり、仕事の話もしたけど、その子は彼氏いる?とか、結婚の価値観だったり、恋愛をすることの意味だったり、なんかどこか引っかかる感じのことを話してきて、私はそれをふんふんと聞いて、とりあえず自分の意見を交えながら話していた。
結婚は別にしなくてもいいと思う。
結婚は人生においてそんなに重要なことじゃない。
こんな内容を言葉を変え、タイミングを変え、何回か話してきた彼女。
そーだね。そういう風に思う人もいるよね色んな価値観が今は許されてきてるもんね、なんて返事を適当にしていたけど、そろそろ帰ろうとなったときに彼女が言った一言で私は私の今までの発言に顔から火が出るほど恥ずかしさを感じることになった。
そういうえば、私結婚するんだよね。
正直、意味がわからないと思った。
結婚について結構色々意見を交わして、しかも結婚しなくてもいいよ派のような発言をたくさんしていたのに、最後の最後で私結婚するからって、なんなん???
何なん??w by藤井風
頭の中でそんなことがぐるぐるぐるぐる回って、最後別れるときに今日めっちゃ楽しかったまた会おー!って言われて、素直にそうだねって言えない自分がいた。
素直に言えなかった。言いたくなかった。
自分がとても惨めに思えたから。
惨めに思っちゃったから。
どうして最初に私結婚するんだーって話さなかったんだろー。
どうしてあんなに結婚なんてそんなに大事なことじゃないって言ってたんだろー。
どうして結婚しない人生でも別に大丈夫なんて言ってたんだろー。
私が結婚する予定もそんな相手もいないって知って同情したから?
かわいそうって哀れだから?
結婚の相手がいなくても大丈夫だよって慰めたかったから?
どうしてだろう、なんでだろう???
そんな気持ちが頭の中でぐるぐるぐるぐる回って消えなくて、ただただ悲しくて。
惨めで。
あと、素直にそうだねまた会おうって言えなかった自分にめっちゃ悲しくなって。
それ以上に、あんなにたくさん笑ってたくさんくだらない話をした友達が結婚するって聞いて、おめでとうってすぐに言えなかった自分にめっちゃ悲しくなった。
なんて優しくない大人になっちゃったのかと、悲しくなった。
友達の賞味期限ってこういうこと?どうなの?って思って、家につくまでの道のりで
ちょっとだけ、泣いた。
おめでとうって、言えなくてごめん。
おめでとうって言いたくないって思って、ごめん。
もし次にどこかで会えたときは結婚したんだっけ、おめでとうって笑って言える優しい自分がいるように、なってたら…いいなあ。
余談。
家に帰って母親に一部始終を話したらほらねやっぱりそんなことだろうと思ったって言われたうえに、これから似たようなことたくさん起こるんだからあんまり優しすぎると損するのは自分だよと言われた。
私は自分のことを優しくないと思ったのに、母親は私に対して優しいという形容詞を使ってくれて、悲しかった気持ちがちょっとだけ晴れた。
母よ、ありがとね。
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