フランスにNISAってあるの?〜資産形成事情 初歩の初歩編
日本では、
「低金利だ」「貯蓄の時代は終わり」「投資だ」「積み立てNISAだ」、、と年々騒がれています。
フランスに長く滞在する予定の身として、
フランスだとどんな雰囲気なんだろう、資産形成の重要性が騒がれていたり人々の間に危機感が募っていたりするのだろうか、
などと疑問には思っているものの。
専門用語バンバン出てくるお話をするのは日本語でも難しいのに、フランス語でも英語でもできる自信がなくまた面倒だなと感じてしまい、つい情報収集を後回しにしてしまっています。
しかし、やはりお金の話は今後のためにも大切なこと、早めに事情を知っておいた方が得策だと思い、自分でも調べ始めてみることにしました。新しいことを学んだら、追記していくようにしたいと思います。
まず前提として、銀行口座の仕組みで日本と若干の違いがあることがわかってきたので、お伝えします。
フランスの銀行口座について
・通常銀行口座に、金利という概念はない
生活をするためにまず作る口座、つまりお給料が入ったり買い物をしたりと出入りの多い口座(以下、通常口座とします)には、お金を入れておいても少しも増えません。むしろ↓があるので減ります。
・代わりに毎月数ユーロの口座維持費がかかる
通常口座には、クレジットカード(支払いと同時に引き抜かれるデビットカードのようなもの)が紐づいています。このカードの使用料や付帯保険も含めの、口座維持費です。日本の銀行口座は通常、口座を持っているだけでは手数料が取られることはありませんので大きな違いになるでしょう。
では、フランスに、貯蓄することでお金が増える仕組みはないのか。
日本でいうところの「積み立てNISA」みたいな仕組みがあるのか。
こういった疑問を、銀行の担当者さんに相談してみました。
勧められたのはlivret A口座というものの開設でした。
Le livret Aとは
どの銀行でも用意されている、そして一人当たりひとつ開設できる、「基本的な個人貯蓄口座」です。手数料や税金はかからず、国が設定した金利が支払われます。
通常口座とこのLivret A間は簡単に行き来させることができるので、安心です。
(長くLivret Aに入れておいた方が金利は高くつきますもちろん。)
ただしお給料など収入は、通常口座にしか預金することはできないので、毎月決まった金額を自動でLivret Aに移す設定をするか、手動(ネットでワンクリックの場合が多い)で移動させるかになるそうです。
ということでこちらは、日本の通常口座のような仕組みです。(ただし金利の桁は断然Livret Aの方が高いです。)
英国ISAでいうところの、預金型ISA(cash ISA)でしょうか。不勉強なので間違っていたらすみません。悪しからず。
「積極的に」投資する非課税口座
では日本の積み立てNISA制度に似た制度、いわば、もう少し「運用色が強くなる」制度はないのでしょうか。
Livret Aについての各銀行の紹介サイトなどには、他にもさまざまな制度が紹介されています。以下のワードリストをもとに、それらしきものを見つかるでしょうか。(調べ方雑…笑)
皆様もぜひ調べてみてください。
まずよくLivret Aと比較されているのが、Assurance Vie ですね。
フランス語で”assurance”というと「保険」という意味が真っ先に浮かぶので、このネーミングだと生命保険をイメージしますが、どうやられっきとした資産運用のようです。(広く言えば、「生活を保証する、安心に暮らす」みたいなことか。)
銀行以外からもさまざまな銘柄を選ぶことができ、リスクや利率も幅があるようです。税制上の優遇もあるそうで、多くのフランス人がおこなっているのもうなずけます。
他にも、8年間はお金を引き出せない、そしてよりリスク型なPlan d’Épargne en Action (PEA) という制度、収入等により開設できるかが異なるLivret d’Épargne Populaire (LEP)という制度などがありました。
というわけで、積み立てNISAはもちろん他の資産運用に関する制度も、全く同じというものはないようです。国が違えば制度も違う、それは資産運用でも同じですね。
積み立てNISAは、早く始めれば始めるほど良いなんて言いますが、フランスで博士課程の学生という身分の私は、しばらくはLivret Aにお世話になるのが現実的かと思います。
いずれにせよ、後々知識が大切になってくることを改めて実感しましたので、
言葉が、、とか言い訳せず、わかる人に話を聞いたり自分で調べたり積極的に行動しないといけないですね