幅広い知識の重要性
「RANGE 知識の「幅」が最強の武器になる」という本を読みました。
一番考えさせられたのは、特定分野の早期教育です。
タイガーウッズは、幼少期からゴルフの才能が表出していたので
すぐにゴルフ漬けの生活になりました。
ゴルフというルールが確立している世界であれば、
早期教育は意味を持ちますが、そうでない世界では逆に不利になります。
自分が馴染んだ世界での思考法しかできなくなるからです。
ウッズは不遇の時期がありましたが、成功できました。
なので、特定分野の早期教育が全くダメとは言い切れない部分は
確かにあります。
しかし、時代の変化はますます早くなり、未来の予測はどんどん難しくなっています。
一つの世界の中だけで生きていくことは難しくなっています。
そのせいか、近年、抜きん出た才能で知られる人たちは
多趣味だったり、パラレルキャリアだったりというケースが
増えているようです。
この本には、任天堂のエピソードが載っていました。
花札からゲーム機製造に至るまでの歴史は、
幅広い分野の知識がいかに重要かがよくわかる内容でした。
「細かい中身は知らなくてもいい、全体を見渡せるプロデューサーになれ」
という趣旨の言葉はとても印象的でした。
蛙の目、鳥の目という比喩がこの本には出てきましたが、
私が以前受けた研修では「虫の目、鳥の目、魚の目」という言葉が使われていました。
細部を深く見ること、全体を俯瞰すること、潮流を読むこと
という意味です。
このような視点を身につけることは大切ですが、
世の中が混沌としてくると、一人では無理があります。
他人と意見を交わすことが必要になります。
今後は、自分自身の経験を豊かにし、他人の話を傾聴することが
とても重要になるはずです。