ヨーロッパを旅した100の感想:46.移民によるロンドナーの悩み
今日は本当に私がふと感じた感想です。しっかりとした検証でもなんでもありません。
私は語学留学としてロンドンに1ヶ月半ほど滞在していました。そこでは毎日イギリス人の友達を作ろうと必死になっていたんです。
meetupを使ってイベントに参加してみたり、パブに通ってみたり、Tinderを使ってみたり、カフェに長居してみたり、いろいろ試してみましたよ。
けれど結果気づいたんです。ロンドンには”イギリス人”がそんなにいないのだと。
移民の方達
どうやら今ロンドンには移民の方か、移民の2世や3世の方がとても多いようです。それか観光客。
なのでいつもよく話していたのは、イタリア人かポーランド人でした。
私はよく日本人の友達から、イギリス人から中国人に間違えられた時の嫌味返しとして「あ、イギリス人だったんだ!ポーランド人かと思った!」と言えばいいと言われていました。
間違いなく私たちにイギリス人とポーランド人の区別なんてつきません。ヨーロッパ人がアジア人の区別がつかないように。
そして、私たちとて中国人に間違えられると腹が立つように、イギリス人もポーランド人に間違えられると腹が立つらしいです。けれど、それだけイギリスにはポーランド人が多いと言うことですね。
ポーランドだけでは無いですが、ヨーロッパの国の中でロンドンと言うのはやはり憧れの土地に近いような気がします。なので、若者は皆ロンドンで働くことを夢見る。そして、それがステータスになる。それを何気なく感じてしまいました。
しかし勿論、ロンドンはヨーロッパからだけでなく世界中から働きに来ている人がいるほど巨大な都市です。インドの方もたくさんいれば、パキスタンやスリランカ、タイの方もたくさんいます。アフリカからの方もいますね。
ロンドナーである先生の悲しみ
私の通っていた語学学校の先生はほとんどがロンドン出身のイギリスの方でした。その先生は時々街に繰り出してロンドンのことを話してくれます。
あそこはビートルズがレコーディングしたスタジオだ!とか、あそこは戦争中にみんなが集まる場所になっていたんだ。など場所にまつわるたくさんの逸話を教えてくれるんです。
その時に一番悲しそうに話されていた話が、移民が増えてイギリス独自の文化が死んでいっていると言うお話でした。
先日の感想でも書いたのですが、イギリスにはパブという社交場があります。そして、これはお酒を飲む文化が当たり前にあると言うことです。お酒だけではありませんねパブは、歌やダンスなどの音楽もパブで楽しむことができます。
けれど、お酒を当たり前に飲む文化と言うのは世界的に共通のものではありません。幸い、日本にもお酒を楽しむ文化があります。なのであまりピンと来ないかもしれませんが、宗教的に、あるいは人種的にお酒を飲まない国が世界にはたくさんあるんです。
先生も他の国からロンドンに働きに来ることに対して何一つ不満は無いそうです。けれど、その移民たちがお酒の文化を持たないことで潰れてしまうパブや音楽喫茶がロンドンにはたくさんあるというのです。
ある意味で文化の侵食、文化の破壊と言ってしまうと言葉が強すぎるでしょうか。
「時の流れとして仕方がないことかもしれないが、自分が当たり前に持っていた物が壊されていく喪失感に怒りを覚えるイギリス人だっているんだ。だからEU離脱に対して強く賛成することは出来ないが、反対することだって難しい」
そう先生が語っていたのが印象的でした。おそらく、先生が若い頃から通っていたロンドンのパブが潰れてしまうことが何回かあったのかもしれません。
今となっては、EU離脱はすでに起きてしまっているので議論の余地はありませんが、おそらくロンドンにいるイギリス人にとってEU離脱は自身が擦り切れるほど悩んで語り尽くした苦悩の話題の一つだったのではないでしょうか。
と密かにロンドンで日本にもそんな日が来るかもしれないと思った出来事の一つでした。
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