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2.初デートで3時間の行列待ち

Pairsをはじめて

Pairsはプロフィールを見て、素敵!と思った相手に「いいね」を送れる。そして、お互いが「いいね」を送りあって初めて、メッセージ交換をすることができるのだ。

そうやって、気になってメールをやりとりしたり、ご飯を食べに行った人は数人いたが、2回以上会う人はほとんどいない中、なんだかとっても気になる人を私は見つけた。

私と同い年の29歳のGIさん。これが後に結婚して、一緒に「てとてと」として活動をすることになったゴウキさんだ。

この時、「いいね」は私から押した。自己紹介文に料理が得意!と書いてあったことが印象的で、他にも、「インテリア好き」「旅行好き」「クラシックカーに乗っている」というコミュニティーに入っていて、こんなに趣味がバッチリ合う人なんているの!?とびっくりしたのを覚えている。

私は、クラシックカーへの憧れがあったのだが、自分では乗れないので、料理男子で、クラシックカーに乗っている人なら更に最高だなぁなんておもっていたら、理想の男性が現れた!

それだけでなく、「歳をとっても手を繋ぎたい」「寂しがり屋」「一人よりみんがでいるほうが好き」というコミュニティーにも所属していて、

寂しがり屋 = 一人の世界にこもらないで一緒にいろんなことをしてくれそう 

というイメージで、これまた気が合いそう!と、私は一人で盛り上がっていたのだ。

女子からいいねをしても、必ずいいねを返してもらえるとは限らない。一度話して見たいなと思って、祈るようにGIさんからのいいねを待っていたら、嬉しいことに、そんなに待たずにいいねが帰ってきて、そこからメッセージのやりとりが1ヶ月ほど続いた。

私は、恋人とは1日に何度もLINEのメッセージを送り合いたいし、特に意味がない会話も、スタンプとかで永遠に続けていたい性格。

過去にメッセージのやり取りをした人は、例えば1日に1通ずつのメールをする感じだったり、すごい長文でお手紙のように連絡を取り合う人など様々でしたが、返事に待ちくたびれてしまったり、もっと気軽に連絡したいな〜と思ったりで、メッセージがノンストレスでできる相手がいなかった。

そんな中で、ゴウキさんはとにかくレスが早くて、くらだない会話も真面目な話も、心地よいタイミングや長さでやり取りができた。こういう些細なことって、実はすごく大事なことだなと思ったりする。

初デート

そんなこんなで、初デートの日がやってきた。この日は、当時千葉に住んでいたゴウキさんの元へ会いに行くプラン。

ゴウキさんおすすめのカレー屋さんに行く約束をしていた。飼っている猫の写真を見せてもらったらとんでもなく可愛かったので、その後、お家にも遊びに行く約束もしていた。(猫飼ってるって、ズルイなって思ったのをおぼえているw)


待ち合わせ

千葉駅のロータリーに、ミニクーパーで迎えにきてくれるということで、私はワクワクしながら待っていた。

メールは1ヶ月ほどしていて、人柄なんかはなんとなくわかってはいたけれど、こうやって初めて会うというのはやはり緊張する。今でも、青いミニクーパーを見つけた時の興奮は忘れられない。


初対面のゴウキさんの印象は、髪が短くめっちゃ細い人だなと思った笑 顔は写真で見ていて、その写真ではすごく好きな雰囲気だったけど、会った時は思ったより髪が短くて、初対面では実はそこまで「やばい!好きー!!!!!結婚したい!運命!!!ビビビ!」みたいなことはなかった笑 

後々聞くと、美容師のお母さんに髪を切ってもらった直後だったそうで、当時韓流にはまっていたお母さんが、好きな俳優のように髪を刈り上げてしまったらしい。それが理由で髪が短くなっていたそう。私は髪が長めの男性がタイプだった。

一方ゴウキさんも、私が2年前の痩せていた写真をPairsのプロフィールにしていたせいで、「あれ?もうちょっと細い子だと思ってたんだけどな〜」と思ったそう。笑

マッチングアプリは、こういうこともおきるが、数ヶ月一緒にいる間に、ゴウキさんの髪は伸びてきて、「あれ?髪長い方が似合ってない?めっちゃ素敵!やだ、タイプ!!!」という風に私はだんだん目がハートになってきたので、初回の印象だけではわからない良さがたくさんあるなと、改めて思った。男性の髪型は大事ですというお話。おっと脱線してしまった。

まさかのケーキ屋さんへ

車に乗り込んで、「じゃ、カレー屋さんにいこうか。」そう言われると思っていたら、「カレー屋さんと反対側なんだけど、気になってるケーキ屋さんがあって、そっち行ってみたいんだけどいい?カレー食べた後、うちでデザートにケーキ食べよう!」そう言われた。

(なにその提案!最高!)

もう、私はかなり喜んでしまった。会社でも幹事をよくやっていたし、デートの行き先は私が調べて決めることが多かったので、突然のこの提案に私は大興奮。しかも、事前にメールで言わず直前に提案するこのサプライズ。ゴウキさんのおもてなし精神にいきなり心を奪われた瞬間だった。(ゴウキさん曰く、ただ本当に食べたかっただけらしいのだが、結果オーライ)

カレー屋へ

ケーキを買った後に訪れたのは、カレー好きの間では結構有名な「シタール」というお店だった。ゴウキさんは、いつも平日の昼に来ていて、すぐに食べられていたらしいのだが、今日は休日。なんと3時間待ちと言われてしまった。

とはいえ、もう今日はカレーを食べる気分になっていたので、3時間、待とう!ということになった。しかし、これが逆によかったのだ。私たちは3時間ずっと話が途切れなかった。

ゴウキさんは当時、鑑定人という仕事をしていた。

仕事の内容は様々で、天然ガスの重さや成分を計り値段を決めたり、船でタイヤを運ぶためのワイヤーの太さや位置を計算しアドバイスをしたり、空港の埋め立て用の鉄板を運ぶ検査をしたり、輸出用の中古車の放射線量を測ったり。もう何が何だかよくわからないけど、出てくる話が興味深すぎて、他にどんなの仕事しているの?他には?と、私が質問ぜめをしているうちに、3時間があっという間に経ってしまっていた。

そして、シタールのバターチキンカレーがとにかく美味しかったということも鮮明に覚えている。ちなみにこれが、カレーを前に喜ぶ、髪の短いゴウキさんです。(やっぱり、髪は長い方がかっこいい)

どんな人が好き?

カレーも食べて大満足。さあ、猫を見にゴウキさんの家に行きましょう。そんな車中、ゴウキさんは私に、「どんな人が好きなの?」とストレートに聞いてきた。今までPairsで会った人は直接的にこんな風に聞かれたことがなかったので、私はちょっとびっくりした。(でも、同時に嬉しかった)

「うーん。変な人が好き」

私がそう言ったら、「変な人?w そうか。俺はたぶん変な人だよ」そう言って、変な人エピソードを話しはじめた。

例えば、このミニクーパーは自分で一から組み立てて作ったとか。家にあるストーブも古いものを数種類集めてきて全部分解し、綺麗に作り直したとか。

カレー屋さんに並んでいる3時間。散々変な人エピソードを聞いたつもりだったが、それは序章にすぎなかった。(え?まだそんな引き出しあるの?)と思うほど、ゴウキさんの話はおもしろくって、いつまでも聞いていたいとおもった。そして、この人は私の好奇心を死ぬまで満たしてくれそうな人だなぁと、この時感じた。

猫、そして家がすごい。

家に到着。玄関を開けると、猫がお出迎えしてくれた。その猫の名前は「花火」というメスのメインクーンだった。この花火さまが予想以上に可愛くて、びっくりした。

そして、それ以上に、オシャレすぎる家に圧倒された。

北欧家具が好きだと聞いてはいたけれど、こんなおしゃれな家に住んでいるとは知らなかった。数ヶ月の付け焼き刃で家具をそろえた私とは違って、もう何年も前から少しずつ好きな家具をボーナスの度に買い揃えてきたそうで、どれもビンテージの品の良いものばかりだった。

同い年で、こんなオシャレな男性がいるかぁ。。。しかも猫かわいい。

私は圧倒されていた。でも、同時にこの人と付き合いたいなぁと、買って来た桃のカスタードケーキを食べながらそう思っていた。

晩御飯もつくってもらった

料理が得意だと聞いていたので、その後、晩御飯も作ってもらうことになった。実は最初につくってもらった御飯を残念ながら私は覚えていない。その代わり、デザートに出て来た桃が衝撃的だった。

「桃にいつもヨーグルトをつけてたべてるんだけど、さっき桃のカスタードケーキを食べて、桃とカスタードって合うんだなぁって思って、カスタードクリームとヨーグルトソースを両方つくってみたからつけてたべてみよう!」

「え?カスタードクリームってそんなすぐできるの?」

という感想しかでない私。

こうやって食べたものをすぐ実験して自分でつくってみるってすごいなぁ。私なんて、「美味しい!また食べたい!」という感想で終わってしまうのに。

そんな風に思った。

その後、遅いからと千葉駅までミニクーパーで送ってくれた。至れり尽くせり。

帰り道

こんな「生き物」に初めて出会った。もっと知りたい!

付き合いたい!という気持ちより、もっと知りたい。もっと一緒にいろんなことをしてみたい!そんな欲求が爆発しそうなのをおさえて、帰路についた。

次は、付き合うことになった!話です。

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