「ドラゴンクエストビルダーズはよくできた失敗作だと感じる」という話。
ドラゴンクエストビルダーズをやっとこさクリアした。無駄に作り込んでみたり素材を集めすぎたりするからクリアタイムも含め結構時間がかかりました。
折角なので感想含めてメモノート。
- マインクラフト…ではない。
ドラクエマインクラフトと揶揄されがちな本作品ですが、これはもう明確にマインクラフトとは別物といっていいかと思います。(知られざる島(フリービルドモード)はそれに近いかと思いますが)大枠としてはマインクラフトをインスパイアしつつも、ちゃんとドラゴンクエストのシリーズタイトルとしてしっかり作られているといって間違いないです。
そもそものベースストーリーがドラクエ1の世界のパロディである事は勿論、本来悲壮感のあるテーマをどこまでもコミカルなトーンで描くことで、ドラクエらしさと本作品の「作り出していく」という部分をより楽しく描けているな、と。
そしてが、実質的に「知られざる島」を楽しむ下地がストーリーモードという設計はよくできているな、と思います。
- ブロックの積み上げは楽しい
ゲームシステムの要となるブロック形のビルドは楽しいです。やはり。マインクラフトがあれだけ評判高いのも頷けます。
- 丁寧な作りが遊びやすさに繋がっている
マインクラフトにない「何をしたら良いか」という指針がちゃんとある。マインクラフトは最初遊んだときに「はい、じゃあ遊んで」って追い出された形で、何をして良いのかさっぱりわからない(私は3D酔いしてしまった)というのもあって続けることはありませんでした。
しかし、ビルダーズにはお話の流れがあり、指針がある。設計図によるクラフトもある種のヒントとしての機能と、ストーリー上必要なパワーアップの必需施設という意味をしっかりもたせている。大倉庫、キメラのつばさ…いろんなところで「プレイヤーに優しい」「少しでも快適に遊べる」仕組みが練られているなぁと関心しきりでした。
まあ、その分、丁寧に作り込んだ建造物がモンスターの襲撃でぼっこぼっこに壊されると揺さぶられるのですが(笑)
- じゃあ手放しに勧められるのか?
というと、そうでもない。特にボス戦に関してアクション性が高すぎるのだ。高すぎると書くと「えwwww簡単だったけどwwww????」みたいな印象を抱くかもしれないけど、このゲームを箱庭ゲームと考えるとあのアクション性ですら高すぎたように思う。
- アクション性が高い事が何故問題なのか
そこで4つのボス戦から考えてみます。ネタバレしますけどそこはご容赦。
ゴーレム戦
…施設関係ないルールバトルを要求されるアクションゲー
ヘルコンドル戦
…
全ボス中一番ビルダーズとして評価できるボス
がったいまじん戦
…むしろもうビルダーズ関係ないチキチキマシーン
りゅうおう戦
…むしろFF14の(弱)蛮神戦
ヘルコンドル以外は「ビルダーズらしい」といえる要素がほとんどいりません。りゅうおう戦の中にすこーーーーしだけありますが、まあその程度で、おおよそ手前で手に入れたアイテムで闘う、ただのアクションゲームに仕上がっています。
ここが実に残念なところで、ルビスは常に「あなたは勇者ではなく、ただの作る力のある人」と言っていたにもかかわらず、闘う勇者としてのプレイを強要されてしまうのです。ここはもっとビルダーとして知恵と制作物で闘う形にして欲しかった。
そしてこれらのボスを倒さないと「知られざる島(フリービルド)」を楽しく遊ぶための要素が開放されません。ここが最大の問題で、アクションゲームが苦手なひとでも楽しめるはずの箱庭ゲームが、やや高めのアクションによって阻害されてしまうという実に勿体ない事になっていたように思います。
- ストーリーモードの弊害
ストーリーモードがそれぞれ切り離されていて、かつ、知られざる島とのリンクも存在していないが故に、ストーリーで作り込む理由が実はほとんどなく、さらに言えば使い捨てみたいな感じなのである。そこはもう少しなんとかならなかったのかね?という思いは正直ある。
- 総括〜それはそれとして面白い〜
ということで、ビルダーズの難点としては
(1)クラフトとビルドではなく、アクションでのクリアを要求されること。
(2)ストーリーの拠点が使い捨てになること
の2点ですね。この部分で正直なところかなり失点しているように思います。
しかし、基本的なところとしてはやはり楽しい。バンバン!って置いていって、部屋をどうしようどういう形にしよう。どういう壁にしようか、そして町並みを…と考えているだけで楽しいのです。
4才半ばの子供でも「ここに壁を置いて、階段もおいて」って遊べるくらいにはちゃんとできてるし、楽しさがある。
だからこそ上の2点がその伸ばすべき、多くの人に体験して貰うべき特長を潰してしまっていることから「よくできた失敗作」という評価をしたいと思います。
勿論、2作目出るなら買いますよ。