【感想】「ドロステのはてで僕ら」でタイムトラベルするぼくら
映画「ドロステのはてて僕ら」を観ました。
「カフェの一階と二階の部屋とをつなぐテレビに二分の時差がある」
タイムトラベルものというと、もう少し半日とか、大きな時差があった方がお話になりそうなのに。なぜ二分?なぜに二分?
と思いながら。
しかし結論から言うと、二分こそがこの話を展開する上ではマストなのでした。半日とかだと観客は一緒にタイムトラベルできない。二分くらいじゃないと。
これは「タイムリープ」ではなくタイムトラベルです。トラベルアラウンドなのです。ごろごろと転げまわっていく作品なのです。だから、とんでもないところにはワープしない。
一階と二階を移動するのにかかる二分、これに時差を合わせて作ることがこの話を展開する上ではベストなのだということを気づいた瞬間、鳥肌が立ちました。
観客は各々の部屋で映画館で、モニターやスクリーンの前で、実際に(この現実世界の物理法則に従って)タイムトラベルする。特別な機械は要らない。二階と一階との移動を含めてリアルにタイムトラベルできる時間が二分なのです。観客が、このとんでもないSFを体感的に信じるその時差こそが二分なのだと思います。
そして、生きるということ(観客視点でいうと、例えばこの映画を観ていた時間)はトラベルなのであって、旅なのだということ。
うまく言えるようになるまでに少し時間がかかりそうですが、まずは手短にタイムトラベルした衝撃を皆さんにお知らせ。
アマゾンプライムで観ました(2022/1/26現在 あなたから見た過去)