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こんなこともやってます!
プロローグ
本日は、県外出張。
とある法人の経営者から「財務諸表を見て欲しい」とご連絡を頂いたことがきっかけです。
お伺いして状況を聞くと、
「売り上げは昨対で上がっているのに、お金がどんどん減っていく」
「去年かなり研修をしたので、研修費がかさむのは自覚していたが、それが終わってもお金が増えていかずに不安」
とのこと。
「原因を究明して欲しい」
その言葉と共に渡された決算書3期分と試算表。
帰りのバスの時間があるので、リミットは1時間半。
求められているのは、原因究明と解決策の提示。
久しぶりに変なスイッチ入りました。
全集中コンサルの呼吸 壱の型 分析一閃
(パン食べてますが)
※写真は社長に撮って頂きました。記事と写真の掲載許可は頂いています。
仮説
まず取り掛かったのは、現金が減っている原因の仮説を立てること。
考えられるのは、
①研修費のために借入をしたと聞いたので返済負担が大きいのでは?
②売上増加により、経費管理が甘くなっている可能性があるのでは?
仮説検証①
①から検証。
具体的には、返済余力を計算します。
売上が上がっている企業で多いのが、設備投資などにより借入の増大による返済過多。返済額が財源に対して適切かどうかを確認します。
返済余力のやっかいなところは、利益と完全には連動しないこと。
まず、返済の財源から計算していきます。
『返済財源=税引後利益+減価償却費』
これが1年間に会社が生み出したキャッシュ。
『返済財源−年間返済額=返済余力』
この返済余力がマイナスだといくら利益が上がっていても現金は減り続けます。
借入返済は経費に計上されないために「勘定(利益)あって銭足らず」の状態になりやすいのです。
この計算式に当てはめたところ、返済余力のマイナスと現金の減り具合がほぼほぼ合致していたため、仮説は正しいことが検証されました。
具体的な解決策として、財源以上に返済しないこと。金融機関交渉にて借換を行い、返済期限を延ばす方法が適切です。リスケとは違うので要注意。
仮説検証②
続いて②を検証。経費管理について。
販管費をみたところ、昨対での経費の額はそんなに変わっていませんでした。
となると、もっと上流。
そう、原価です。
原価について聞いたところ、「売上が上がって前よりも高くなっている気がする」とのこと。
販管費は管理していても、原価は「そういうものだし」と見直しをしないケースが結構あります。
今回の企業様の場合、売上総利益率が69%→63%に落ちていました。(原価6%アップ)
粗利が4%違うのは、結構な打撃です。
解決策としては、外注先への交渉。今後も原価管理を行うこと。
エピローグ
リミットまでに原因分析、解決策提示まで終わらせることが出来ました。
日々業務に励まれている中堅中小企業様だと、どうしてもバックオフィスまで手が届きにくいのは、エフアンドエム時代に現場で痛いほど感じました。
当時めちゃくちゃ働いたおかげで、2、3期分の決算書を見れば、社長が何を大切にしているか、どんな志向なのかもざっくりは分かるようになりました。
改善点があれば、それも見えてくるようになりました。
最後に、この記事を書いた理由ですが、エフアンドエム時代に財務諸表を勉強し、その後も研鑽していますが、使うことが少なくて自分的にめちゃくちゃもったいないと思っています。
学んだことを世の中の役に立つために存分に使いたい。そんな気持ちです。
もし、少しでもお悩みのことがあったり、周りにお役に立てる経営者の方がいらっしゃったら、ぜひご一報ください!
保険のお兄さんですが、保険以外のことも結構やれます(助成金申請補助とか)。
こんな僕ですが、一生懸命働くので気になった方は気軽にご連絡ください!
画像は大坪誠さんから頂きました。
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![岩切 健一郎 発達障害専門FP](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/63249911/profile_fa4c425b48bb7fef272db156c7c019af.png?width=600&crop=1:1,smart)