【徒然草考:第十六段】雅楽を楽しむ
徒然草を読み解きつつ人生のたしなみを学びなおす「徒然草考」。
第十六段をお届けします。
徒然草とは
徒然草は鎌倉時代の随筆家である吉田兼好が著した随筆集。
日常生活の中で感じたことを淡々と書き綴り、人の生き方や人間関係の在り方などを鋭い観察眼から問題提起し、豊な気付きを与えてくれます。
第十六段:雅楽を楽しむ
原文
※古文体が苦手な方は読み飛ばして現代語訳におすすみください。
神楽こそ、なまめかしく、おもしろけれ。
おほかた、ものの音ねには、笛・篳篥。
常に聞きたきは、琵琶・和琴。
現代語訳
※著者の個人的な解釈による現代語訳です。
宮中の演奏会は優雅で心を揺さぶる。
響いて聞こえてくるのは、大和笛と篳篥(ひちりき:中国から伝えられた小さい竹笛)の音色。
そして、いつまでもずっと聴いていたいのは琵琶や琴だ。
雅楽を少々かじってみました
徒然草の第十六段を味わって、雅楽に好奇心が芽生え、少々かじってみたくなりました。
そんなわけで、雅楽を調べてみました。
雅楽とは?
雅楽は、日本最古の伝統音楽の一つです。
平安時代から宮廷音楽として発展し、長い歴史の中で独自の文化を育んできました。
※舞楽「陵王」
北斉の蘭陵王長恭は美男であったため、厳めしい面を被って兵を指揮することで戦に勝ったという故事に由来している。
舞人は龍を戴く面を被り、金色の桴を持って勇壮に舞う。
左舞(唐楽を伴奏に用いる舞)の代表的な走舞(動きが活発な舞)として古今演奏機会の多い曲である。
雅楽の特徴
歴史の深さ
数千年の歴史を持ち、中国や朝鮮半島の音楽の影響を受けながら、日本独自の美意識が融合されています。多様な楽器
笙(しょう)、篳篥(ひちりき)、龍笛(りゅうてき)など、独特な形状と音色の楽器が使われます。荘厳な雰囲気
ゆっくりとしたテンポと、複雑な旋律が特徴で、荘厳で神秘的な雰囲気を醸し出します。宮廷音楽としての側面
宮中行事や儀式に欠かせない音楽であり、日本の伝統文化を象徴する存在です。
雅楽の魅力
神秘的な音色
独特の楽器の音色が織りなす独自のハーモニー。
聴く人の心の奥を深く揺さぶってくれます。日本文化に触れる
雅楽は代表的な日本の文化。
日本のアイデンティティに触れる貴重な体験ができます。心の安らぎ
ゆっくりとしたテンポの音楽は、忙しい毎日に心の安らぎを与えてくれます。
雅楽を聴くポイント
楽器の音色を楽しむ
笙の美しい音色、篳篥の力強い音色など、それぞれの楽器の音色を聞き比べるとおもしろいです。旋律の流れを追う
ゆっくりとした旋律の流れを追うことで、音楽全体の構成や演出を味わえます。雰囲気を楽しむ
荘厳な雰囲気の中で、心の奥底に響く音楽の世界に浸るのも良しです。
雅楽は、日本の伝統文化を代表する音楽です。その荘厳な雰囲気と美しい音色は、多くの人を魅了してきました。
雅楽のもうひとつの楽しみ方
雅楽の楽器の音色とギブソンがこんなにマッチするとは!!
東儀秀樹さん、東儀典親さんの親子共演は圧巻です。
兼好法師も、さぞやびっくりではないでしょうか。
終わりに
お付き合いいただきありがとうございました。
徒然草を題材に、あれこれ考えをめぐらすことは、ことのほかおもしろいですね。
いろいろと世界が拡がります。
同じように、徒然草を読んであれこれ考えてみたいという方におすすめの書籍をご紹介させていただきます。
電子書籍版の徒然草はこちら
オーディオブック版の徒然草はこちら
最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。
こちらの情報がお役に立ちましたらうれしいです。