過食

この記事は過食嘔吐を扱っています。
苦手な方はご注意ください。


私は、ずっと、家にいたくなかった。
厳しく私をしつける母がいる家は、私にとって安心できる場所ではなかった。
平日は学校。
土日は図書館やらなんやらに適当な言い訳をして外出。

元から人が苦手で、外出も苦手で、家の外も安心できる場所ではなくて。
私の居場所はマジでどこにもなかった。

学校に行けなくなると、家にいなくちゃいけなくて、それがつらくて、不登校の子とかも集まる中高生向けの施設に通い詰めるようになった。

ただ、そこでも人が増えるとストレスが増して、苦しくて、私は自傷に走った。

大人が管理している施設の洗面所で、刃物で体を切るわけにもいかないし、私はとにかく食べまくった。そして吐いた。


数ヶ月後、私は母と17年暮らしてた家を出て、父と暮らせることになった。
やっと手に入れた、母の支配からの解放。
それでも、私は食べると吐いてしまう癖やら、ちょっとでも気分が落ちるとたくさん食べてしまう癖やらが抜けなかった。

推しの俳優のイベントで、振る舞われる食べ物を食べながらお芝居を見る、というのがあったけれど、私はそこでも食べられなかった。
吐くのが怖くて。




どうやって脱せたのか、覚えてない。
「簡単に抜け出せる方法」なんてものはきっとなくて、単純に自分の生活の幸せ度数をちょっとずつ上げて、それに体を慣らしていくしかないんだと思う。
私の場合は母と離れたことが大きかった。

あとは、治そうと思う気持ち。
可哀想な自分でいたい、という気持ちをバッサリ捨てる。
それが、過食から抜け出せる道なんじゃないかな、と思う。

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