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仮説の日 episode2

───999.8,999.9,1000,復元完了。
蘇生開始します。蘇生開始します。なお、浮上後の急な接触は禁止されております。30秒後に意識確認を開始します。ミラーを見つめてコードネームをどうぞ。

…はぁ…はぁ……ああああぁぁ…ううう……。

──ミラーを見つめてコードネームをどうぞ。

「………μ…complex」

──承認完了。おかえりなさい。足元に気をつけて、必要ならば医療チームを要請してください、なお…

δ「おかえり」

μ「……ただいま。ずっと見てたの?悪趣味だな。…他は?」

δ「概ね順調だよ。ほらこれ、新作。βが戻ったら呼んでって言ってたよ。僕ちょっと…αの様子見てくるから。先行くね。」

μ「…ありがとう。また呼出しのためだけに改良したのか………β、β、聞こえるか。」

β「─‼、あっおかえりなさい μ。気分はどう?いまそっちに向かってる。すぐ着くからその辺にあるもの試してみて。今度のスーツ最高なの!メンテナンス入るならそれ着てからにして!」

μ「…いま試してる。なかなかいいね。」

β「でっしょー?みんなが頑張ってくれてるから私も張り切っちゃって!もっと褒めてー。」

μ「次、レベルSのコース90クリアしたら褒めてあげる。」

β「もう!私の耐性限界がRまでってこないだ警告出たばかりじゃないっ!次、違反したら軽くて300年だよ。」

μ「冗談だよ。……早かったね。どこ行ってたの。」

β「…θのとこ。Ωも一緒だったよ。思ってたよりⅩ.ⅡⅡⅡの形成スピードが速いみたい。戻ってきて早々で悪いんだけど、θのとこもあとで見てくれる?……似合ってるじゃない!最高っ!」

μ「ありがとう。こっちはまだ10人以上地球にいるんだね。全員のデータ出して。」

すべてのデータを表示します。αβγδεζηθικλμνξοπρστυφχψΩ………………

Ω「…おかえりμ」

μ「ただいま。もう2度と行きたくないね。」

Ω「そのセリフ、もう2000回は越えてるな。お前のコピーたち順調に育ってるじゃないか。」

μ「こっちはΩのコピーに出逢うたびに頭の血管が切れるんじゃないかって思うよ。まぁ昔よりだいぶマシになってきてると思うけど。」

Ω「これ見ろ。κ、ζ、η、ρ、φたち、戻ってきて3時間でまた地球に行ったんだぞ。あいつら回数稼ぎの競い合いになってるな。まぁ、もともと温厚で無難なコピーたちだから本体が行ってもバグが起こる可能性は極めて低いけどな。誰かと違って。」

μ「…この話はもう止めよう。最優先はαとθのことだろ。」

β「そうね。αのホログラムデータは今も地球に行っているけど特に問題ないわ。見て。αのコピーたちも異常バグは確認されてない。こちらの本体の修復次第でホログラム回収はいつでも可能だし。ただ…」

Ω「oneはここの剥奪を阻止するために自ら最高機関に赴いたんだ。我々はいつも信用されている。それは"いつも" だ。忘れるな。αのことは我々でなんとかするしかない。これはεの意思でもある。」

μ「εはいま何処にいる?…ああぁ…そうか。あれはεだったか…。」

β「私ずっと見てたよ。…ふふ、ははは。ごめん。笑っちゃいけないんだった。」

μ「いいよ。もうこんなやりとり何処にいても飽き飽きするほど繰り返してるんだ。笑って済むならその方がいい。αとθの件は笑って済まされないんだからな。Ω、ひとつ気になるんだが。」

Ω「……θは、oneの意思を継いでいる。おそらくoneの頭脳をも超えている。もしも…」

μ「oneが戻らなければ、θが後継ぎか。」

Ω(μ、β、通信回路を切れ。)

μ「…切った。あたしの考えだと、θはレベルⅩ.ⅡⅡⅡ銀河団の何処かに地球のコピーを創ってる。そうだろ?」

Ω「…おそらく。」

β「!?そんなっ…違法だわ!どうして…」

μ「θは誰よりも賢い。先が見えてる。」

Ω「そうだな。まだ言うなよ。ここだけの話にしよう、ひとつの仮説だ…もうオンにしろ、察知される。」

μ「…まっ、ちょっと休んでからαとθのとこも行くよ。気が向いたらね。」

β「なるべく早めにお願いね…μお疲れ様。」

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