海と彼女と空と
美しい人だ。
彼女を初めて見た瞬間、そう思った。
透き通ったこのエメラルドグリーンの海と、スカイブルーの空。
その景色に溶け込むように立っていたその女性。
横顔だったけれど、凛としていて気品がある。
海と彼女と空は、まるでポスターにでもなりそうなほど、ひとつの風景だった。
そんな彼女の長い髪は、時折吹く潮風に、ふわりと揺れる。
波もまた、彼女の脚を濡らしていた。
不意に振り返った彼女は、俺に向かって微笑むと、ゆっくりとこちらに向かって歩いてくる。
横を向いていたときには気づかなかったけれど、彼女は白っぽい可愛らしい花を、髪につけていた。
「ご旅行ですか?」
「はい」
静かに優しい笑みを浮かべた彼女。
空や海や花だけじゃない。
吹く風も、この開放感のある空気も、すべて彼女の美しさを魅せているかのようだった。
仕事に疲れて、そのまま何かに誘われるように飛び乗った飛行機。
そこで出逢った景色は、すべてが心を魅了した。
いつか自分の書いたものを、本にするのが夢です。その夢を叶えるために、サポートを循環したり、大切な人に会いに行く交通費にさせていただきます。