茨城のうみは私たちのお墓
いつか死んだら ここへ散骨してもらおうと
きっとあのとき 母も私も心の中で思った
弟を骨をちりばめた あの海を見ながら
遊覧船を貸し切り 少ない人数で出発した青空
沢山の鷗が歓迎するかのように近づいてくるのを
母は嬉しそうに手を伸ばしていた
まだ三回忌の時期で 私たちは無理やり日常や取り決まりを
淡々とこなしていたように思う
海はおおらかだった 海は心を包んでくれるように広かった
なぜか 夕焼けの空の下
自分の子どもと来る日が 脳裏に浮かんだ
未来に ただただ 導かれていくだけ
私の中には 弟が ICチップのようなものになって
インプットされている
そこには哀しさの弟は削除されてて
生きることに漲ってる弟だけ
それを海は物語っている
しっかり生きて ここへ粉となって
海の一部になる尊さを もしかして
弟は教えてくれたのかもしれない
死をこわがらないでと
また会いにいくね