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【個人的な記録】憧れのブロードウェイ鑑賞が叶った日

個人的な記録のような日記のようなものです。


今年の10月末、仕事でニューヨークにいく機会があり、夢が一つ叶った。念願だったブロードウェイ鑑賞。宿泊していたホテルがちょうどタイムズスクエアのど真ん中、ブロードウェイシアターに囲まれた好立地。なぜだか自分は一生ニューヨークに行く機会なんてないと心のどこかでずっと思っていた中での大チャンス。こんな機会はもうない!と、ほぼ後先考えずチケットを取った。仕事に支障が出ないように夜の部を。

ブロードウェイといえば、私にとっては毎朝聞いているVoicyでキングコング西野さんがよく話している「えんとつ町のプペル」のニューヨーク公演の話がとても身近だった。西野さんがブロードウェイでの「えんとつ町のプペル」の公演制作に尽力する中での日々の試行錯誤を話してくれている。

うろ覚えだけど、ブロードウェイで公演しようと思えば、まずは投資家さんを集めなければならず投資家さん向けの公演がある、とか。ブロードウェイで働くキャストの労働時間はきっちり管理されており、どれだけキリが悪くとも就業時間が終わると稽古が打ち切りになる、とか。照明をたくさん切り替えるプログラムにはできない規制がある、とか。なんだかとても中途半端な知識しか自分の中にはないのだけど。

でも、この西野さんが話す”ブロードウェイ”の話と、自分がニューヨークで体感した”ブロードウェイ”が最後までなぜか結びつかずに終わった。それだけ、自分にとっては本当に夢のような経験だったんだと思う。


夜のタイムズスクエア。夜遅くてもギラギラ。全てがカラフルでポップな世界観。




仕事で行くニューヨーク。でも早々にブロードウェイのチケットは取ろうと思った。チケットを買う上で難しかったのは席の種類。観やすい席をネットで検索してみた。意外と座席について教えてくれる有益なサイトは見つからなかったけれど、なんとなく良さそうな情報を拾って、「Orchestra Center and Near Side\Front Mezzanine」という席を予約。「Orchestra」というのが1階席を意味し、「Mezzanine」は2階席を意味するそう。私が選んだ席の名前には両方の単語が並び、結局自分が何階席のチケットを取ったのか会場に到着するまで分からずにいた。当時のレートで128.0ドル。2万円弱のけっこういい席だったと思う。

今回チケットを取った演目は「アラジン」。英語が少々聞き取れなくとも、ある程度ストーリーを知っているので楽しめるかなという理由、衣装が綺麗そうという理由、そしてネット情報でブロードウェイ初心者向きという文字を見つけて、この演目に決めた。

正直、私はブロードウェイについての知識がなさすぎたように思う。日本の劇団四季のように一つの劇場で時間帯を分けていろんな演目をしているのだと思っていたけど、実際は、演目ごとに劇場があることにまず驚いた。今回チケットを取った「アラジン」は、ホテルから徒歩約5分のNew Amsterdam Theatreで公演されている。上に載っている大きなランプがとっても素敵だった。

New Amsterdam Theatre


New Amsterdam Theatreの入口

公演30分前、劇場前にはすでにたくさんのお客さまが。なんとなくできた列らしきものに並び、ゆっくりと劇場の中に踏み入れる。入場はQRコードを提示して読みとってもらうだけ。スムーズだ。
煌びやかな外観からは想像もしなかった歴史を感じる室内。ディズニーランドのホーンテッドマンションを彷彿とさせる雰囲気を感じた。

ドリンクやスナックを購入できるエリアもあった。


自分の持っているチケットの「Orchestra Center and Near Side\Front Mezzanine」という席が一体どこを指しているのか検討もつかなかったので、迷わずスタッフに聞いてみる。


席からの眺め

すると、一か八かで買ったチケットは1階席だった。席の近くまでとても親切に案内してくれた。(日本は接客が丁寧だとか、おもてなしの文化だとかいうけれど、私が滞在中に感じたのは、もはや今ではアメリカの方がよほどフレンドリーで親切で温かみがある接し方をしてくれるということ)しかも前から11列目くらいの場所。よかった。うれしい。席に着くと会場全体を見渡して夢のブロードウェイという空気を全身に浴びた。


劇場の左右の壁にはオペラ座の怪人が座りそうなボックス席があり、ファミリーが楽しそうに座っている。ニューヨークに住んでいる人にとっては、ブロードウェイは映画を観にくるような感覚なのだろうか。


公演が始まるまで、もらったパンフレットを眺めたり、目の前に広がる赤いカーテンを見つめたりする。頭がぼんやりする。夢が叶ったという高揚感でふわふわしていたのか、時差ボケなのか、疲労なのかは分からない。正直、ミュージカルがどんなシーンから始まったのかはよく覚えていない。だけど、始まった瞬間なぜか涙が込み上げてきたのは鮮明に覚えている。

アラジンの演目は前半と後半に分かれている。公演の直前、スタバで買ったドラゴンフルーツのドリンクを飲みすぎて、まさかの始まって少ししてからトイレに行きたくなった。日本のスタバではみない珍しいドリンクを晩御飯とともにがぶ飲みしてしまった自分が悔やまれた。

公演直前に食したものたち


でも憧れの場所ブロードウェイでの夢の時間を1秒でも無駄にはできない一心で我慢し、前半の幕が降りるとほぼ同時に隣の人にすごい勢いで「May I pass?」と声をかけた。合っているか分からないけど、咄嗟に出た言葉。必死だった。すぐに道を開けてくれ、難を逃れ、そこからは安心して後半の時間を楽しむことができた。

正直、内心ドキドキハラハラな時間を過ごしていたけれど、前半の大きな見せ場、ランプの魔人ジーニーが歌う「フレンド・ライク・ミー」は10分近い尺があり、やはり迫力満点の印象深いシーンとなった。アラジンの親友サルのアブーは登場しなかった。代わりにアラジンのお友達が3人配役されていた。ミュージカルならではの工夫だ。ジャスミンもアラジンも美男美女。煌びやかな衣装に豪華な演出。キングコングの西野さんがVoicyでお話ししているような照明の切り替わった数などについては正直っすっかり忘れて、目の前で繰り広げられる魔法のストーリーに見入ってしまっていた。

日本の劇団四季のアラジンも観たことがあるけれど、日本のミュージカルのクオリティも相当なものだなと素人目には思う。どちらも圧巻だ。

興奮冷めやらぬうちに劇場を後にして、振り返るとスクリーンのビジュアルが開演前と変わっていた。偶然なのか意図的な演出なのかは分からないけれど、”アラジン”だけに魔法のようで綺麗だ。大袈裟かもしれないけれど、全てが魔法の世界の中の出来事のように思えた。そもそもニューヨークにいたことさえも。


今年2024年が始まったとき、まさか自分がニューヨークに行くなんて思ってもみなかった。そしてブロードウェイでアラジンを観ることになるなんて、まさか。




”文章を書くことが好き”という気持ちで去年から始めたライター。今回、会社でチャンスが来た瞬間に飛び込めたのも、そのチャンスをしっかり掴めたのも、文章を書く力を少しずつ鍛えていたからかもしれないなと、思い返すとすごく嬉しいし、頑張ってよかったなと思う。さまざまなタイミングで手を差しのべてくれた全ての人に感謝が尽きない。ありがとうございます。


ブロードウェイ、とってもよかったです。


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