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【レポ】3年目看護師がACLS受けてみた

みなさんこんにちは!ももなすです。

急に朝晩かなり冷え込むようになりましたがみなさんいかがお過ごしでしょうか?

今回のnoteでは私が先日受講したACLS(二次救命処置)のレポをしていきます。


1:【Q&A】看護師×ACLS | よくある疑問3つ

疑問①:看護師にACLS受講はやっぱり難しい?

A:結論、勤務している施設の種類・配属部署によって難易度が大きく変わると思います。

ACLSは主に脳血管疾患によって起こされる心停止前から心停止、蘇生後の処置を学び、知識・技術を向上させることを目的とされています。

コースの内容には蘇生の知識および心電図や循環動態作動薬に関する知識などが問われます。

そのため急性期の救命センターやICU、手術室、カテ室などのユニット系、心臓血管外科や循環器内科など脳血管疾患による急変の多い病棟看護師からすれば日常から触れている内容が多く含まれるため難易度はそこまで高くないかと思います。

しかし、日常からそういった患者に触れ合う機会が少ない病棟の方や、慢性期病院・施設・企業に勤務されている看護師からすると聞きなれない言葉や知識を学ぶところからのスタートとなるので難易度は上がるかと思います。

疑問②看護師がACLSまで受ける必要ある?

A:実は受講するメリットしかないので下記を読んでみてください。

  • いつ起きるか分からない状態悪化・急変時に関する講義を受けるだけでなく実際にチームになり臨床に則した実技演習ができる

  • 医師が心停止患者を目の前にして何を鑑別しているのか知ることができる→看護師として医師が診断しやすいようどう立ち回れば良いかを考えるきっかけになる

  • 言われるがままに急変対応するのではなく、間違いを見つけた際に修正できるスキルを得ることができる(急変時は全員が冷静ではないので医師だろうと誰だろうと指示する側にもエラーが起こりやすい)

  • 自分の急変対応スキルの確認や実技のフィードバックを貰える場となる

この辺りでしょうか。

臨床では急変患者を目の前にして心停止の原因を考えたり指示をする役割は医師が担います。医師って本当に大変なんです。

その医師が診断を行う際に必要な検査ができるよう手配を進めておくことや、必要になる薬剤を予測して準備しておくことは看護師が患者を救うためにできることの一つです。そこを学べるのはACLSの良い点だと思います。

疑問③看護師がACLS受ける時におすすめの参考書はある?

A:公式のACLSプロバイダーマニュアルでOKです。
心電図が苦手な人はレジデントのためのこれだけ心電図をおすすめします。

基本的にAHAが出版している公式マニュアルを勉強すれば何とかなります。

公式マニュアルにはリファレンスカード(ACSによる心停止時、徐脈など各ケースにおけるアルゴリズムが記載されたカード)が付いており、講義・実技中や最終日の筆記試験の際にも持ち込みができるので大丈夫です。

ただ、苦手な人が多いモニター心電図に関しては実技の際にも判読必須ですので、公式ガイドに載っている内容で理解がしにくい方は「レジデントのためのこれだけ心電図」という本をおすすめします。

緊急度の高い心電図から様子見でも良い心電図に分けて解説されている点、その心電図になる根拠を説明するのではなく形で覚えさせてくれる点が心電図初心者さんにおすすめできる点です(私も心電図に関する別の資格を受ける時この本に助けられてました)

2:ACLS受講当日レポ

ここでは受講当日のレポをまとめています。

受講するトレーニングサイトによっては違いがある可能性があるのであくまで参考程度にご覧ください!

1)受講1日目

・ACLSの概要についてのDVD学習
・BLSスキルテスト
・BVM(バッグバルブマスク)のスキルテスト
・OPAとNPAの使い分けの講義と実技演習
・DCの使用方法についての講義と実技演習(非同期ショック・同期ショック・経皮ペーシング・内部放電の方法)
・脳卒中、ACSの概要についてのDVD学習
・チームでの蘇生実習(発見時から心停止時の人に対する蘇生をチームリーダー持ち回り制度で実施)

主に1日目はBLS(一次救命処置)の知識・技術の確認と、ACLSにおける気道管理、循環管理における講義と実技練習、チームでの蘇生活動の演習でした。

これといったテストはBLSスキルテストとBVMのスキルテストくらいなので、気負わず気楽に受講できました。

チームでの蘇生実習は心停止時の人の第一発見者となったことを仮定して、コース参加者をリーダー・記録係・胸骨圧迫・気道管理・DC/モニター管理・CPRコーチ(他の役割と兼任することが多い)・記録のそれぞれに担当を振り分けて行います。

様々な病院や施設から集まった参加者の方とチームを組むため最初は緊張や遠慮がありましたが、次第に慣れてくると声を出し合い「みんなで蘇生させるぞ!」という気合いを感じることができるようになったのでまさにONE TEAMという感じでした。良い1日目!

2)受講2日目

・徐脈と頻脈の人への介入を実習(チームリーダー持ち回り制度で実施)
・メガコード実技練習(メガコード:徐脈→VF→ROSCのような各種アルゴリズムが組み合わさった実習)(チームリーダー持ち回り制度)
・メガコードテスト
・筆記試験(4つの回答から1つ選ぶ方式)(50問)

2日目はテスト祭りでした(朝から腹痛止まらん)

心停止までいかなくとも、症候性の徐脈や安定・不安定な頻脈の患者を見る機会は病棟看護師にもあるかと思います。
その際の対応のフローをアルゴリズムに沿って学べるのは明日に生きる知識になると思いました。

ちなみに恐れていたテストに関するまとめは下の項をご覧ください。

3:実技試験と筆記試験まとめ

1)メガコードテストの評価内容

メガコードのテストではリーダーの役割を実施し、評価された項目は下記の内容です。

  • 各状況で適切な指示を出せているか(誰に何の役割を頼むか?何の薬をどのくらいの量使うか?何のアルゴリズムなのでどういう処置をするか?)

  • CPRの質を管理できるか(呼吸回数は?胸骨圧迫のリズムは?酸素投与はしなくていい?)

  • 心停止の原因を検索できるか(5H5Tを元に検査の指示や検査結果の評価、バイタルの評価を行い原因を検索していく)

  • 蘇生後何を指示するのか(追加の検査オーダーをするのか?どこの部門に連絡をするか?蘇生後の管理で目の前の患者の状況では何の指示を出すのか?)

上記のように実臨床で医師がしていることをACLSでは最終的に評価されます。

実技テストの際リファレンスカードを持ち込むことはできるので、5H5Tや薬の量などをど忘れしたときはチラ見することができるのでご安心を!

2)筆記試験の出題内容

筆記試験は50問あり、全て4つの選択肢から1つを選ぶようになっていました。

試験内容は主に以下の項目です。

  • 心電図(2度房室ブロック、完全房室ブロック、VT、VF)

  • 薬剤(PEAの時に使用する薬剤名の選択、徐脈の際に第一選択となる薬剤名の選択など)

  • 各アルゴリズムの確認(VT/VFの時は非同期ショックか同期ショックかといったような問題)

こちらの筆記試験もリファレンスカードや公式ガイドを持ち込むことができるので、悩んだ際は確認できました。

4:まとめ

今回はACLS受講レポをまとめました。

この記事がこれからACLSを受けようとしている同じ看護師の方はじめ、他職種の方の助けになればと思います。

それではまた。



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