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桃谷蛙月
2020年4月12日 23:55
例えば、私がシンデレラだとすれば、ガラスの靴をもらって、お城に行けばいい。人魚姫なら、嵐の夜に、船から落ちた男性を助ければいい。白雪姫なら、森で小人の住む小屋を見つければいいし、ラプンツェルに至っては塔からの脱出を諦めなければ良い。 そんな簡単なことなのに、「運命の人」に出会うのは、どうしてこうも難しいことなのだろう。電車に寄り添うように、背を預け、ぼんやりと考える。 例えば、だ。シンデレラ
2020年4月11日 19:22
青春とは綺麗に言ったもので、結局のところ病と大差ないのだろう。渦中はそれが世界の全てだと思い、過ぎ去った後は免罪符になる。あの時は青春だったのだと、レッテルを貼って仕舞えば、綺麗なまま取っておける。綺麗な、病気だ。 そんなことを一人でぼやく私も、例に漏れず、青春という病の患者だ。厭な事に、本当に厭な事に。 それを自覚したのはいつだったか、多分、心待ちにするようになってからだろう。彼のS N