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daraz
ツラツラ小説。 ケセラセラ。
ツラツラ小説。 ケセラセラ。
多感、多感、加担。
加担、加担、達観。
達観、達観、、
目的地は左側、手の鳴る方へ。
導かれるのは、私たちの方。
よくわからないまま、ルールも実感も、現実もないまま乗せられたものから降ろされ、辺りは霧深い空間。行き止まりに向かう電車はもう姿を消した。
明かりも町も何もない。待ってもくれない。日々。ひび割れる。船、沈む。
消えて沈んで、また静寂。
浮かんでこようとする魚は話しかけた。
「酸素は?」
「……かろうじて、少し。」
「なら、なんとかなる。」
そう言ってまた大海原を目指し、沈んだ。
狸が私に電話をかける。
「生活費は?」
「1ヶ月生き残れるくらいは」
「なら、大丈夫。あ、くれぐれも僕を捕まえようなんて考えないでくれよ。僕、美味しくないよ。なんつってなぁ。」
電話は切れる。通り過ぎた公衆電話にいた人影はどこへ行ったものか。
マスクをした女に、
「あなた方、健康?」
「まあ、それなりに。」
「そう、私きれいかしら?」
「顔がきれいかだけで人を判断しないようにしている。」
女は指を指す。霧が晴れて、電車が現れた。
私たちは一目散に目指した。電車に乗り、先へ進む。窓を覗くと、魚と狸と女が、こちらに手を振っている。
私は、なんとかなるような気がして、前にも進むことを決めた。