独り言。 ヤキニクの感想。クレヨンしんちゃんの映画。

 皆様は、
クレヨンしんちゃんの映画、
『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ
栄光のヤキニクロード』をご存知だろうか。

 クレヨンしんちゃんの映画でもかなり有名な方なのでご存知の方も多いかもしれない。2003年公開と、もう20年くらい前の映画になる(少し驚いている)が、レンタルビデオ店で何度も借りて何周もして、内容も全て覚えてしまっているほど、何度も何度も観ている。この映画を見た際の感触が少しずつ変わっていったことを、このノートに綴りたい。

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 僕は、小さい頃からクレヨンしんちゃんで育ったと言っても過言ではない。テレビ放送は当然毎週見ていたし、休みの日はゲオやTSUTAYAに行き、7泊8日でクレヨンしんちゃんのVHSやDVDを10本限度まで借りて1日中見るなどをしていた記憶が強い。その名残は、中学生、高校生まで続き、今現在、一人暮らしを始めてからも、レンタル落ちのクレヨンしんちゃんのDVDや映画版などを買いまくり、家にクレヨンしんちゃんゾーンができてしまうくらい僕の中では切っても切り離せないコンテンツになっている。映画、ヤキニクロードとの出会いは僕が幼稚園の頃、小学校入学前あたりのような気がする。とてもわかりやすいコメディ映画で、子どもの頃は、ゲラゲラと笑える面白い作品という印象だった。実際、この映画の良いところはコメディに振り切った爽快感のある部分だと思う。見ていてスッキリするし、勧善懲悪のわかりやすい作品。どんな気分の時にも見やすい作品だと思う。とりあえずこれを流しておけば元気になれるようなそんな作品だとも思う。

 社会人になってからだろうか。
一人暮らしを始めてからだろうか。
この映画は、実はただのコメディ映画ではないのでは、と思い始めた。

 いつも通りの日常が、ひょんなことから崩されて、それでも今日の夜、家族で焼き肉を囲むために、そのためだけに熱海を目指し、物事を解決するストーリー。仲間の裏切りや、敵との闘いなど、一筋縄ではいかない道中。理不尽な要求(朝の再現)も、乗り越えようやく終わったかと思いきや、帰れなくなった!
帰りもギリギリ、へとへとになって家に着き、やっと。やっと焼き肉に辿り着く。
当人たちから見れば散々な1日だったかもしれない。でもそれも人生だよねって思う作品だった。
エンディングの歌詞で、こんなフレーズがある。
「ほんと人生ヘコむ時もある」
「ほんと人生つらい時もある」
「ほんと人生まいる時もある」

 これら全てに続けて
「こんな時こそ焼肉がある」

という歌詞に繋がる。
 人生なんて、思い通りに行かないことばかり、毎日大変だし、理不尽だし、報われないことばっかり。でもこうやってささやかな幸せのために一致団結して、そこに向かって、最後は家族で焼き肉を囲んでいる。この大冒険を終えて、この曲が流れて家族で焼き肉を囲むその姿を想像するだけで涙が止まらなくなるようになった。最近はこの映画を見るのは僕的には泣きたい時に見る映画になった。くだらない85分くらいがあるからこそ、ラストシーンのこのシーンがとんでもなく、輝いて見える。溜めに溜めた感情の放出。オーバーラップする感情があると僕は思う。

 学生の時には気づけなかった。1人で暮らし、お金を稼ぐ大変さを分かり、理不尽にぶつかり上手くいかない毎日を過ごしている社会人にこそ、
「こんな時こそ焼肉がある」
という歌詞は刺さるのだ。
たった1日の幸せかもしれない。でもその1日を全力で過ごせるようになりたい。そう思える作品でした。もう見ていらっしゃる方も多いと思いますが、是非、大人になってから、もう一度見てみてはいかがでしょうか。
新たな発見がたくさんあるクレしん映画の中でも特にオススメです。
ありがとうございました。

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