見出し画像

子どもは自分で性別を決める

私には二人の息子がいます。
長男妊娠中、お腹が少し目立ってくる妊娠中期に入ると、会う人会う人に『性別はわかった?』と聞かれました。

『男の子だよ』というとちょっと憐れみを含んだ表情で『そうなんだー』という反応。

不妊治療を経て6年ぶりに次男を妊娠中、またしても会う人会う人に『性別はわかった?』と質問の嵐。
男の子だというと、『わぁー!たいへーん!』という若干ネガティブ要素を含んだ反応。

今まで流産や不妊治療を経験し、授かるまでに様々な思いをしてきました。
たくさん悩み苦しみ、命を授かることの難しさを痛感した日々でした。

だからこそ、通りすがりの見知らぬ人にまで『女の子は一人いた方がいいよ。男の子だけだと将来寂しいよ』と求めてもいない謎のアドバイスをいただくと、

『男の子を妊娠している人にそれを言う意図とは?』
『子どもの性別のようにコントロールできない事について意見する意味とは?』

と思わずにいられませんでした。

以前、はるな愛さんがテレビのロケで妊婦さんに会った時に『性別はわかってるんですか?』と質問して『まだわからないんです』と答えた妊婦さんに対して、

『そーよねー。性別なんて、生まれてきてから子どもが決めるわよねー』

とおっしゃっていた事がとても印象的でした。

いま世の中で女の子を望む親御さんが多いと聞きます。
たくさんの理由があるのでしょうが、
よく言われる
『男の子は嫁にとられるけど、女の子はずっと一緒に買い物や旅行に行けるし、孫も好きに可愛がれる』
という理由を聞くと、なんだかなーと思います。

男の子の親としてのやっかみが全くないわけでありません。
私も女の子を育ててみたいと思ったことがありますから。

でも、このはるな愛さんの言葉を聞いて、

『子どもは親の所有物ではないし、子どもの人生はあくまで子どものものである。』

という至極当たり前のことを思い出しました。

『性別』さえも子ども自身が決めていいのだと。

どんな学校に行くのか、それとも行かないのか。
どんな職に就くのか、それとも就かないのか。
結婚をするのか、しないのか。
子どもをもつのか、もたないのか。
誰を愛するのか。
どんな人生を歩んでいくのか。

それら全ては、あくまで子ども自身の選択のもとにあるべきだと。

私達親は、子どもの幸せを願うあまり無意識に子どもをコントロールしがちです。
私も、もれなくその一人です。

子どもが生まれた瞬間から必死に育て、その小さな命を守り続けてきたのですから、子どもにとって最善の道に導いてあげたいという親心は当たり前のことです。

でも、子どもが『お世話』の段階から徐々に思春期に入っていく中で、いかに親が上手に手を離してあげられるか。
子ども本人の思いにしっかりと耳を傾け、『子どもにとっての』最善の道を一緒に探していけるか。

これから思春期という荒波を泳いでいく息子達に、私達親はいったい何ができるのだろう。

『親なんて、大したもんじゃない。』

まずはそんな謙虚な気持ちからスタートしよう。
一緒に悩みながら成長していけばいいのだから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?