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その『やりたい』は本当に自分のものか
私は、夫の転勤で海外に住んでいる。
いわゆる駐在妻という立場。
駐在妻という世界はとても狭い。
日本人が多く住むエリアは限られているため、日本にいる時よりもギュギュッと濃縮された人間関係の中で生きている。
そうなると、自分の価値観と他人の価値観の境目が見えにくくなる。
『この国で生活しているなら駐在妻御用達の〇〇は買っておかないと』や、『この国から近い〇〇と〇〇には旅行しておかないと』や、『この国でしか味わえない〇〇は食べておかないと』などの『こうするべき』だらけ。
別に誰に強要されるわけではない。
周りの人たちが自慢したい気持ちを押し殺して話す『この連休で〇〇に旅行してきたの〜』『この店の〇〇は絶品だった〜』を聞いていると、自分がこの国の素晴らしさを味わっていないような気がして焦ってくる。
そして、何かに追い立てられるように旅行や話題の店に行って満足した気になる。
この国でしかできない素晴らしい経験をした気になる。
でも、それって本当にわたしのしたいこと?
駐在妻生活も3年を過ぎ、やっと気づけたことがある。
旅行も話題のお店で絶品スイーツを食べることも、私のしたいことではなかった。
ただ、周囲の人や自分自身に向けての『海外でもこんなに楽しく生活してますよアピール』だったのかもしれない。
せっかく海外で生活しているのだから、ここでしか経験できないことをする“べき”だと思い込んでいただけ。
別にどこかに出かけなくても、何かを買わなくても、異国の地で生活して子育てをしているだけで、じゅうぶんに『ここでしかできない経験』はできている。
奥様同士のランチだって、習い事だって、やりたいと思えばやればいいし、やりたくなければやらなくていい。
駐在妻生活に関わらず、日常生活のあらゆる場面で『それって誰の価値観?』と自分に問うてみることがとても大切なのだと思う。
ちゃんと自分の頭で考える。
そして正しく選択する。
もっと、自分の欲求に正直でいい。
だって、子供の頃にはみんなできていたのだから。